表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
95/243

ep.095 金バッチの資格

「くっ、何や・・・」

会長(おやじ)に、お嬢さんを襲うようにしむけたのも、“播州田嶋組”の叔父(おじ)きで?」

岸田は、ニヤリと笑い、

「アレは俺が仕掛けた。叔父(おじ)きにいい手土産やろ?」

「確かに・・・」

刹那、山崎の運転するレクサスは、愛染病院に滑り込んだ。

山崎は看護婦読んできますと岸田に告げ、車から飛び出して行った。


数分後、山崎はストレッチャーを押した看護婦二人と戻って来て、岸田に告げる。

「補佐、もう大丈夫です。先生が診てくれますんで」

岸田は身を起こし、山崎と看護婦に抱えられながらストレッチャーに乗せられ病院に入っていった。

どうやら意識を失ったようである。

山崎は一緒に行かず、岸田を見送る。

そして、右手の中にある物を見入った。

金色の稲穂が美しく輝く河内稲美会の大紋である。

岸田をストレッチャーに載せる際に、山崎が岸田のジャケットから外したものだ。

山崎は、病院の方をキッと睨むと、

《あんたにコレを着ける資格はねえ!》

そして、自身の金色のバッチを外すと、

《また俺もな・・・》

意外だったのは、バッチを外した山崎が、一度だけ岸田の運ばれた先に向かい深々と頭を下げた事だ。

《クサレのド外道とはいえ、俺の上だった人だ・・・。ケジメとして一度だけ、礼を言わせてもらいます》

山崎は頭を下げたまま、呟く。

「補佐、お世話になりました」


頭を上げた時、山崎の瞳には一辺の迷いも無かった。

携帯を取り出すと、自身の1番信用出来る弟分に電話を掛けた。

忠志(ただし)か?俺だ、大事な話がある。信用できる身内だけ集めて、大至急、河内長原の歓真寺の境内に来てくれ。いいか、本当に信用出来る身内だけだぞ・・・」

山崎は携帯を切ると、レクサスに乗り込み、河内長原の歓真寺を目指した。

《こんな時、政さんだったら、何て言うだろうか・・・。あぁ、政さんが生きていてくれたら・・・》

山崎は、自身よりは二つ年下ではあったが、先代・若頭の柳沢政人にいたく男惚れしていたのだ。

今でも思う、

《政さん、アンタのなら子分の盃が欲しいと・・・》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ