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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
93/243

ep.092 河内稲美会は無くなるで

その少し前の事である。

レクサスの車内で、脚の怪我を痛がる岸田に、山崎が運転をしながら尋ねる。

「補佐、もうすぐ愛染病院に着きますから」

「山崎、すまんな。急いでくれや」

岸田は、痛いながらも正気を取り戻した様だ。

山崎は、疑問に思った事を岸田に尋ねる。

会長(おやじ)は、いつからまた(ヤク)を?昔、それが原因で跡目から外されたのに・・・」

岸田は思わず本音を漏らした。

「山崎。ボン、いや、あのボンクラは、止めてなかったんや」

「!」

山崎は、うっすらと汗をかき動揺を隠せない。

「しかし、補佐。会長(おやじ)は、何処から麻薬(ヤク)を?まさか・・・」

岸田が、痛みを伴いながらもニヤリと笑い、

「俺が都度用意した。昔のコネクション使ってな。山崎、お前も縁日での的屋なんか止めて、手下使って麻薬(ヤク)捌かしたらどーや・・・?もーかるぞ!」

山崎はやんわりと断る。

「いっ、いえ、私は・・・、そんな度胸有りませんので・・・」

しかし、山崎の目の奥で鈍く光る何かが在った。

「補佐、前々から気になってたんですが・・・、会長(おやじ)をヤク中にしたのも、まさか?」

「あぁ、あのボンクラ、ホンマにちっこい男でのー、昔からプレッシャーに弱かったんや。せやから、俺が気付けに渡したのが最初や。せやけど、俺は優しいから、ちゃんと麻薬(ヤク)の抜きかたも、ボンクラには教えたで」

山崎は、わざと大袈裟に驚き、

「そうなんですか?さすが、補佐ですね」

と言う反面、心の中では、

《このクソボケが、全ての元凶か・・・》

怒り心頭な山崎であった。

岸田は、持ち上げられている事に気付かず、

「山崎、お前も今後の身の振り方考えた方がええぞ」

「えっ?、どういう事ですか?」

「お前も、理解(わか)らんやっちゃなー!」

山崎は少し困惑し、

「はぁ、すいません・・・。何せ無学なもんで・・・」

岸田は、得意気にやや鼻を膨らませ、

「“河内稲美会”は無くなるで、あのボンクラがヤク中やってバレたら、長老連中が何て言うか・・・。ましてや実の妹、てごめに掛けたと知ったら・・・」

山崎は、岸田の思ってる事を全部吐かせようと心に決め、

「そうなったら、取り潰しになりませんか?私的には困るんですが・・・、補佐はどうされますんで?」

岸田は、疼く痛みに堪えながら、

「そん時は、播州田嶋組の叔父(おじき)きに入ってもらって、誰かに継いでもらうしかないなぁ・・・」

「しかし、播州田嶋組だとウチと縁遠くないですか?」

「どうせ、こんなチンケな組、誰が継いだって同じやろ!」

「じゃあ、あれですか?播州田嶋組の組長の推薦で、補佐が継ぐ事も?」

岸田は不敵に、

「言われたらな」

山崎はもしやと思い、

「補佐、麻薬(ヤク)の入手先って、播州田嶋組ですか?」

「なかなか鋭いのー、山崎。そうや、播州田嶋組や」

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