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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
90/243

ep.090 かなり制服好き?

睦月は血痕を辿り、慎重に足を進めた。

《何があったんだ・・・?》

不思議な事に人気(ひとけ)は、ほとんど感じられない・・・。

血は居間まで続いていた。

《ここからのようだな・・・》

より慎重に、居間に入る。

睦月が目撃したのは顔を腫らし意識を失っている二十代の男と、おそらく此処で刺したのが想像出来る血の跡であった。

睦月は顔を腫らしている男に、音も無く近付きしげしげと眺め、そして、周りを見渡し状況を分析する。

《誰かが此処で刺されている。でもだとしたら、気になるのは、なぜこの男はここに放置されている?ふむ、スーツはドルガバのそこそこ高いのか・・・。ん?金バッチ?・・・。だとすると、このボロ雑巾みたいな顔の男が、河内稲美会の会長・稲美裕一か・・・。全く酷いやられ方だな・・・》

睦月が思いを巡らしていると、裕一が意識を取り戻しかけ、うわ言を漏らす。

刹那、睦月は裕一の背後に回り、耳を澄ました。

「・・・、ヤ・・ク・・・、き・し・だ、(ヤク)く・れ・・・」

睦月は顔をしかめ、

《こいつ、麻薬中毒患者(ジャンキー)か・・・。“きしだ”とかいう人物が、麻薬に関しては鍵のようだな・・・。事態は予想以上にややこしいか・・・》

睦月は、すっと立ち上がり、裕一の首を目掛け手刀を無慈悲に下ろした。

裕一はぐっと一言漏らすと硬直し、再び動かなる。

《さて、ちょっと屋敷の中を拝見させて貰おうか・・・。普通はこんな屋敷の場合、イキのいい下っぱがワラワラ居るもんなんだがなぁ・・・》

睦月は何だか少し不満そうにため息を()くと、踵を返し居間を出て行った。


いくつかの部屋を回り、裕一の部屋にたどり着く。

部屋の中には、風俗雑誌やら違法なDVD、それから色々な学校の制服などが散乱していた。

睦月は白い手袋をはめると、あちらこちらを物色していく。

《おいおい、あの男、そんなに女と性交()るのが好きなのか?しかも、かなり制服好き?理解しかねるね・・・》

睦月は鍵の掛かった引き出しを見付けると、ニヤリと笑い造作もなく開ける。

《これは、薬が入ってるのかな?》

中身を見た瞬間、睦月は固まった。

《こっ、これは・・・》

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