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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
9/243

ep.009 “ル・スリィール”!

こころと直子は顔を見合わせ、にぃっと笑うと、仲良く階段を駆け上がり、勢いよく店の扉をあける。

ウェイトレスが二人を待ち構え、

「ボン・ソワール、マドモアゼル。ようこそ!ル・スリィールへ」

「あっ、マリちゃん、こんばんは~、また来たと」

「あら、ここちゃん、いらっしゃい。今日はかわいい妹さんとご一緒?」

こころは、後輩を褒めてもらったのがたいそう嬉しいらしく、

「うん、可愛かやろ~、ウチらの期待のルーキーね」

直子は、ウェイトレスのマリにぺこりと頭をさげる。

「鈴木直子と言います」

「こちらこそ!あら?何度か、いらっしゃった事あるわね?間違ってたらゴメンなさい。眼鏡かけたお父さんと、あなたによく似たお母さん、それと、確かこれくらいの小学生の弟んで来られてません?」

とウェイトレスのマリは、左手を胸の高さで平にした。

「それ、確かにウチです。凄い」

直子は驚く。

「マリちゃんは、接客したお客さんは大概覚えてると」

話が長引きそうな気配を察知した店長が、マリの背中でコホンと咳をする。

気付いたマリは話を切り、こころ達を席に誘う。

「ここちゃん、席は1番好きな席が空いてるよ」

「ホントに?じゃ、遠慮なく。直子、行くと」

こころは、店内奥の見晴らしのいい席を目指す。

直子は、再度、ぺこりと頭を下げ、こころの後を追った。


お気に入りの席に座ったこころが、山手を指差し、

「ほら、直子、こっからだと、この時間は夕日がさして聖クリがスゴク綺麗に見えるったい。特にここからが最高なんよ」

直子は目を見開き、

「うわぁー」

遥か彼方の山頂に、夕日を浴びてキラキラ輝く母校を見た。

《雪江にも、見せてやりたいなぁ・・・》


「感動したか、後輩」

マリがオレンジジュースとケーキをテーブルの上に2個づつ置く。

「?」

直子がびっくりしているのを見た、こころが、

「マリちゃん、ウチまだ頼んで無かよ?」

マリは胸を張り、

「たまには後輩達に、先輩らしいトコ見せさせてよ。これはアタシからのオゴリ」

とウインクすると行ってしまった。

こころは起立すると、深々とマリの背中に頭を下げる。

「遠慮なくゴチになります。マリ先輩!」

店内にこころの威勢のいい声が響き渡った。

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