ep.082 そんなイケズな女の子はこうや!
お湯の栓をひねると、蛇口から勢いよく温かいお湯が飛び出してくる。
瑠奈は手を差し出し、お湯の温度を確かめると、切り替えレバーをシャワーに回した。
シャワーのお湯が瑠奈に当たり、モクモクと湯気が立ってバスルームを満たしていく。
《ぁー、気持ちぃぃょぅ・・・》
一通り洗い流した処で、最近お気に入りのハルナが買ってきたBODYSHOPのシャンプーを適量手に取り、髪の毛を洗う。
《ぃー香り。ハルナ、よくこんなの見つけてくるなぁ・・・。ァタシも、たまにはハルナの好きそぅなの買わなぃとね・・・》
シャンプーを洗い流し、今度はコンディショナーを手に取るとマッサージしながら、髪の毛にまんべんなく染み込ませていく。
しばらくの間、瑠奈は髪の毛以外にお湯を当て、宇多田ヒカルの“First Love”の鼻歌を歌いながら、メールの内容を考えた。
《こころちゃんは、優しいね。ぃつも・・・、気をっかってくれる。水曜日のラーメン楽しみだなぁ・・・。でも、その前に、藍ちゃんからの“はねくみ”召集だよね・・・。なんだろ?再来週の京都のコス・イベントの事かなぁ?太秦映画村だょね、確か・・・。だとしたら、フローレンス連載中の神有月あい先生の“イケない幕末活劇・超新撰組!”かなぁ~。だったら、一度くらぃヒロィンのぉ龍やってみたぃなぁ・・・。でも、藍ちゃんとかが演るんだろーなぁ。となると、龍馬でもぃぃか・・・。ぁっ、その前に雪江ちゃんの話聞ぃてぁげなぃとね。何だろなぁ・・・》
コンディショナーを洗い流し、スポンジにローズから貰ったアメリカ土産のナチュラル・バス製ボディソープをたっぷり着ける。
揉むときめの細かい泡が、いっぱい立った。
《これも、ミルキーなぃぃ香りなんだよね・・・》
スポンジを使って揉み洗いし、泡が全身に行き渡った処で、指を使いマッサージしていく。
刹那、声が掛かる。
「瑠奈、アンタ、なんやかんやゆーて、色っぽい身体してんなぁ」
びっくりした瑠奈は、
「ハルナ、ぃつの間に?」
「さっきからおったよ。丁度、ヒッキーの鼻歌歌ってる頃から。全く気付いてへんかったん?」
「ごめんなさぃ」
ハルナは悪態を付く。
「ありえへん。最悪や・・・。そんなイケズな女の子はこうや!」




