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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
7/243

ep.007 タンデムシート

近鉄・南大阪線と南海・高野線の二つの私鉄路線が交わる形で河内長原駅は存在する。

駅から聖クリまでは、行きは山頂まで、上り坂をひたすら上がるので約25分~30分、帰りは下るだけなので約20分あれば駅に辿り着けるのだ。


こころはV-maxを河内長原駅東口に停めると、ヘルメットを脱ぎ、愛車にもたれ掛かり直子を待つ。

幾人もの学園の生徒が、こころに挨拶をして通り過ぎていく。

中にはこの時とばかりに、写メ撮らして下さいなどという女の子も数人いた。

《有名なのはしょうがなかね・・・》

と笑顔で対応する。

実際、こころの人気は女の子には絶大で、二年に上がってからは、既にもう三度も下級生の女子に告白されている。

桜子が生徒会会長でいられるのには、女子に人気のこころや、数少なくはあるが男子に人気の藍なども、桜子を推薦する事も要因の一つでもあった。


そうこうする内に、直子が足取りも重く、やって来るのが見えた。

こころは大きく手を振り、

「直子、なんばしよっとね。こっちたい、こっち!」

直子は、まさか自分より早くこころが駅にいるとは思ってもなかったので、

「こころ先輩こそ、何してんですかぁ?」

と驚きを隠せない。

「ウチ?ウチはアンタを待ちよったい。はい、これ被って、デートすったい」

有無を言わせず、こころは桜子のヘルメットを直子に押し付ける。

そして、こころ自身もヘルメットを被ると、バイクに跨がり、

「はい、早く乗らんね。行くったい」

と急かす。

「!?」

直子は拒否する事は出来そうにないと判断すると、軽くため息を吐つく。

そして、ヘルメットを被ると、ボストンバッグを袈裟掛けにし、V-maxの後部座席に跨がる。

学生鞄は身体と身体の間に挟む事にした。

「しっかり捕まるったい、直子」

直子がこころの腰に手を回し、ギュッとすると、心地よい重低音をあげながらバイクは走りだす。

こころのファンが見たら、卒倒しそうな二人乗りであった。

「何処行くんですか?こころ先輩?」

直子がヘルメット越しに尋ねる。

「さぁ、何処だろねー」

こころは意地悪に答えると、更にバイクは加速度を増していく。

一路、北を目指して。

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