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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
61/243

ep.061 生まれる家は選べへん

鉄はこころを諭す。

「いずれ、時代がお前をほって置かんよーになるよ。とりあえず、ホットケーキ食おーや」

鉄は、一枚当たり直径約20cm、厚さ2cmはある生クリームたっぷりの三段重ねのホットケーキの1/4を器用に切り取り、一口でパクりと食べた。

あまりの美味しさに握りこぶしを作る。

「最高~や!はよ、こころもお食べ」

こころは、はぁとため息を漏らすと、ホットケーキを口に運んだ。

目を大きく見開き、

「何ね、このホットケーキ!無茶苦茶、美味(うま)か~」

鉄がこころの表情に満足し、

「大阪府警に入ったら、さっきのトンカツや、このホットケーキ、ほんでまだまだ教えてない美味(うま)い店、連れてったんのになぁ・・・」

こころは考える。

《ん~、確かにそれは有りとよ・・・》


鉄がアイスコーヒーを一気に飲み上げ、お代わりを注文した時に、こころが、

「鉄さん、聞きたか事があるとよ。“河内稲美会”ってヤクザ知っとっと?」

「ん?富田森のか?」

鉄が平然と言い、グラスの氷を口に含むと、かみ砕いた。

「うん」

「まぁ、いずれ判明(わか)る事やから、先言うけどな、俺の実家、“天道白虎会”の宗家(そうけ)やねん」

突然の告白に、こころはかなりびっくりした様子で、

「えーー!鉄さんち、ヤクザやったと?“天道白虎会”ってニュースとかにもたまに出てくる?」

「そや、いわゆる広域指定暴力団や。今はまだ祖父ちゃんが現役で頑張ってるけどな」

こころは素直に驚き、

「ちゃー、かなりびっくりしたとよ」

「ガハハ。生まれる家は選べへんからなぁ。で、何でウチの実家の話したかというと、“河内稲美会”は、ウチの下部組織の一つやからや。もっとも、付き合いもかなり古いはずやで。先々代の頃に、ウチの傘下に入ったはず」

「今の組長は、知っとっと?」

鉄は、腕組をし、うーん?と考える。

「確か、ややこしいねん。あの組、跡目関係が・・・」

「何ね?それ?鉄さん」

「今の組長、長老連中に承認されてないんや。ウチの祖父ちゃん、怒ってたもんなぁ・・・」

こころは身を乗り出し、

「詳しく聞かしてもらってよかですか?」

鉄は思う。

《食いつきがエエなぁ。ちょっと刑事(デカ)の英才教育してみよか・・・》

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