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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
59/243

ep.059 全部、終わった?

「で、そのマークXやけど、南港で見つかってな。今日の早朝に釣り人が、車が落ちるのを見て、自殺と思ったらしく、110番通報があって湾岸署が引き揚げたら、その車やったんや。ほんでやな・・・」

鉄は身を乗り出し、こころをギロリと見る。

《ちゃー、バレてるったい・・・。サバイバル・ナイフの件・・・》

こころは、一度深くため息を()くと、

「鉄さん、告白したか事があります」

「何や、こころ?もしかして、コレ使わんとアカン事か?」

鉄は、ポケットからガチャリと重たい音をさせ、テーブルの上に手錠を置いた。

鉄の口調は真剣だが、口元はニヤニヤしている。

こころは、鉄を見ずに手錠を凝視している。

《終わった・・・。ウチの青春も、オリンピックも全部終わった・・・》

頭の中が真っ白になった。


刹那、別の席に座って新聞を読んでいたスーツ姿のスレンダーな女性が、鉄とこころに近づき、

「鉄さん、悪戯はそれくらいにしてあげたら?」

鉄とこころは、スーツ姿の女性を見る。

「なんや、美保ちゃんやないか。おったんかいな」

「ええ、奥で新聞読んでました」

こころは呆然と二人を見ていたが、

「鉄さん、この方は?」

「あー、紹介するわ。大阪府警本部の捜査一課の相原(あいはら)美保(みほ)刑事。美人やろ?怒るとめっさ怖いんやで」

こころは、すくっと立ち上がり、頭を下げた。

「はじめまして、鷹見こころです」

「よろしく。相原よ。それから、鉄さん。怖いは余計です」

と鉄をキッと睨んで、そして、笑う。

美保とこころは、固く握手を交わした。


「あっ、鉄さん。後で話が。甥っ子の事で相談が・・・」

「ん?何や?らしくないなぁ。まぁ、ええわ。後でウチらの部屋おいで」

美保はニッコリ笑い。

「助かります」

そう告げると、頭を下げレジに向かった。

鉄が後ろから、美保に声を掛ける。

「美保ちゃん、ハゲとあんまり喧嘩したらアカンで。一応、上司やねんから」

美保は振り向き、

「向こうが勝手に喧嘩吹っ掛けてくるんですよ」

今度は、こころに顔を向けると、

「またね、こころちゃん。一緒に働けたらいいわね」

そう告げ、会計を済ませると出ていった。

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