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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
57/243

ep.057 こころと鉄、そして、伝説のトンカツ

大阪府警本部から上町筋を北へ7~8分程歩いた所に、トンカツの店“のん太”はあった。

この店は、“鉄”こと虎谷(こたに)刑事の大のお気に入りの店で、週に一度は必ずこのトンカツを食べるのが彼の習慣である。

かなりの肉厚なトンカツで、普通のロースカツでも厚みは1.5cmはあった。

揚げているのは、昔、伝説のカツ職人と呼ばれたオヤジの美山である。

元々、“のん太”は、天王寺の鉄道病院前にあり、昼間1時間だけ開け、何時もかなりの行列が出来る有名店であった。

三年前、店主のたっての希望で、ゆっくり食べて、その後、寛いでもらえる店に変更する為、ここに移転してきたのである。


「おっちゃん、ロースカツお代わりったい。キャベツも大盛で!」

「はい、お造りしましょうねぇ」

店主・美山は、目を細め嬉しそうだ。

こころは、かなり満足な面持ちで、カツを食べている。

さっくりとした食感がたまらない。

既にご飯はドンブリで三杯食べ終えていた。

こころの目の前に、彼女が小学生にでも見える様な大男が、ドカっと座っている。

彼の前には、トンカツの皿が五枚積まれていた・・・。

「なっ、こころ。ここのカツ、めっさ美味いやろ!」

「鉄さん、最高ったいね!美味(おい)しか~!」

「なぁ、こころ。お前、進路どうするねん?警官、せーへんか?」

こころは、うーんと考えると、

「悪くは無かね。ただ今は、やりたい事たくさん有るとよ。その後で良ければ考えるったい」

「そーか、まぁ、前向きで頼むわ。ウチの課長がうるさいねん。こころが欲しいって」

「有り難がたかね~」

「へい、お待ち!」

話を遮る様に、二人の目の前に揚げたてのカツが、ドンと二皿置かれた。

「さぁ、食うで!」

こころは笑って頷く。

「鉄さん。ウチ、鉄さんとご飯食べると少食に見えるから、なんか嬉しかよ」


半分位食べた処で、鉄が尋ねた。

「こころ。お前、昨日、よく怪我せーへんかったな。お前がツブしたクラウンのトランクの中のアレ・・・」

「あー、ピストル!ちょっとだけ、ビビったと。普通の女子高生相手に、拳銃はイカンとよ」

「普通ねぇ・・・」

鉄は、呆れながらも頼もしく思っているようである。

《やっぱり、刑事(デカ)向きや、コイツ・・・》

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