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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
56/243

ep.056 心配な政と目を覚ましたトメ

政は、エレベーターを使って3階に降りて来た。

トメさんの病状が気になったのだ。

政の指示通り、陰に隠れナースステーションの前の301号室の様子を伺っている礼司に、

「どうだ?何か動きあったか?」

「あっ、アニキ。さっき雪江お嬢さんが出て行かれました。後は、特に・・・」

「そうか、分かった。礼司、腹減ったろ?これでラーメンでも食ってこい。ここは俺が見るから」

そう言って政は、礼司のシャツの胸ポケットに一万円札を捩り込む。

礼司は素直に頭を下げ、なるたけ早く戻りますと告げ、階段を使い降りて行った。

政が、しばしトメさんの病室を眺めていると、ナースが巡回に出る為ナースステーションにから出て行くのが見えた。

政は、思い切って301をノックして中に入る。

トメさんは点滴を受け、眠っていた。

「トメさん・・・」

政は思わず声に出し、呼び掛ける。

懐かしい声が届いたのか、トメは意識を取り戻そうと顔に少し反応があった。

もう一度、政は声を掛けた。

「トメさん、聞こえますか?俺です、政です」

政の思いが届いたのか、トメはパチリと目を開け、政に顔を向けると不思議そうに、

「あれ?ここは天国かい?政さんがいるよ」

政は思わず涙目になり、

「トメさん!気が付いたんだ。良かった・・・」

そんな言葉を聞いたトメは手で目を擦り、政を凝視する。

「えっ?政?本当に政さんかい?」

「はい、政ですよ。ちゃんと生きています。トメさんには心配かけました」

トメはゆっくり身体を起こすと、

「アタシは、てっきり巻き添えになって死んだモノだと・・・」

「はい、実際、死にかけてました・・・」

「そうなのかい、今は大丈夫なのかい?」

「今んところは、傷はたまに疼きますが・・・」

トメは嬉しそうに微笑む。

「そうかい、アンタがたっしゃで良かった・・・。そういや、政さん。ここは何処なんだい?何でアタシはこんなベッドの上なんだい?」

政は破顔すると、

「トメさん、ここは富田森記念病院です。俺も、ここに入院してるんですよ。聞いた話では、救急車で運び込まれたらしいです」

トメは、意識を失う前を思い出した。

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