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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
55/243

ep.055 抱きたいと思った事は?

「美味しい・・・」

「後、更に細かい最近の河内稲美会の情報に付いては、情報屋の徳さんが、明日の昼にナンバまで持って来てくれる。会ってくれるか?」

「あら、兄さんが会うんじゃないの?」

「あぁ、俺は、明日、橘先生とその“河内稲美会”に行かなくちゃならんのだ・・・」

「ふーん。モテるわね。いつもながら」

皐月はクスッと笑う。

女性に人気がある兄の事は、嫌いではない。

皐月は妖艶な顔付きで、ライダージャケットのジッパーを下ろし、

「兄さんは、私の事、女として見た事はあるの?抱きたいと思った事は?」

睦月はバーボンを一口含み、皐月の腕を掴み真顔で応える。

「抱いてやろうか?皐月、来いよ」

“Prince”のバラードを歌うファルセットが切ない・・・。

皐月と睦月が顔を近付け、キスまであと数mmの距離の瞬間、お互いに破顔すると、

「無理ね」

「あぁ、全く恋愛感情は湧かん」

睦月は皐月の手を放した。

皐月はソファーに座り直し、足を組むと、

「しかし、なんでまた馬鹿兄は、実の妹を抱こうと思ったのかしら?」

「それなんだがな、二人が本当の兄妹でないとしたら?」

「!?そうなの?」

「あぁ、裕一は先代組長の実の子供ではない」

「レポートには書いてなかったけど?」

「徳さんに、電話で依頼した時、教えてくれた。受け取る情報には詳しく書いてあるはずだ・・・。よほどの変態でも無い限り、妹をレイプしようとは思わないよ。近親相姦は同意の元では起こりえるがな・・・」

皐月はため息を()き、

「背景が複雑そうね」

「俺は黒幕が居ると思っているよ。恐らく、この一件が表ざたになった時、得をする奴がね」


皐月は、レポートを手に立ち上がり、

「ありがとう、兄さん。今から、このリストに載っている幹部の家を回ってみる。何か気付く事があるかも知れないし・・・」

了解(わか)った。気をつけてな」

「兄さんこそ、明日、橘先生と怪しい関係にならない様に」

少しだけ毒を吐き、皐月は出て行った。

雪丸が、皐月を玄関まで見送り帰って来た。

睦月は雪丸の頭を撫でながら、

《皐月も、教師で聖クリに潜入すれば良かったのに。まっ、そうもいかんか・・・。あいつはお嬢様の“影”だからなぁ・・・》

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