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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
50/243

ep.050 調和の美しき世界と、集いし“はねくみ”の乙女達

桜子は、正確にバイオリンを刻んでいく、それに藍の伸びやかなピアノの音が絡まって、先程の藍の独奏とは違う調和の美しき世界を醸し出す。

演奏が終わった時、桜子の頭の中では次に何をすべきなのか、答えが出ていた。

リビングは再び拍手で包まれる。

寮生全員が出て来て、演奏を聞いていたのだ。

桜子と藍が頭を下げ、“はねくみ”一同に近付こうと動いた時、一際大きい拍手がリビングの外れから聞こえて来る。

「桜子~、藍~、やっぱアンタらの演奏は聞いていて気持ちよかね~」

「あっ、こころちゃん!」

こころに気付いた藍が、大きな胸を揺らしながら駆け寄る。

ぎゅっと抱き着くと、お帰り~、と告げた。

横で少し唖然とする直子に気付いた藍は、

「こころちゃん、この子は?」

「一年生の鈴木直子、バレーボールの後輩ね」

藍は、にぱぁと笑う。

「直子ちゃんどすか?ウチは隼人藍です。よろしゅうしてくれやす」

「藍先輩、こちらこ・・・」

直子が全部言い終わる前に、藍が直子を抱きしめた。

学園で男子に1番人気の美少女のハグは、直子でも照れた。

一方、桜子は、こころが連れてきた女の子が鈴木直子だという事は、彼女が視界に入った瞬間、理解していた。

《パズルのピースが揃ってきたわ・・・》


桜子は左手にバイオリンを持ったまま直子に近付き、右手を差し出す。

「ようこそ、“聖マリア寮”へ。歓迎するわ、鈴木直子さん」

直子は、びっくりして目をパチクリさせながら、桜子の握手に応える。

「生徒会長、アタシの事覚えてるんですか?」

桜子は、優しく頷き、

「ええ、一年B組、バレーボール部の期待のアタッカー、鈴木直子ちゃん」

ニヤニヤ笑いながらこころが、直子に耳打ちする。

「桜子は、学園全員の顔と名前、そして誕生日が頭に入ってるとよ」

「すごっ・・・」

「会長選挙の活動の時、アタシと握手してくれたもんね?直子ちゃん」

桜子は、軽くウィンクして笑う。

そして、

「直子ちゃん、安心してね。アタシ達に全て任せてくれたらいいわ」

直子が気がつけば、桜子を中心として寮に住む“はねくみ”全員が直子を優しく見詰めていた。

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