表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
44/243

ep.044 “博多っ娘、純情”

こころが、両手にボルビック二本を持って出てきた。

一本差し出し、

「直子、どうね?」

直子は受け取ると、首を横に振る。

「あっ、すいません。連絡はダメです、こころ先輩。病院なんで、切ってるみたいです。入れておきますね」

「あぁ、頼むと」

こころは、ボトル半分位一気に水を飲むと、

「直子、ハラ減らんね?」

雪江宛てのメールを打ち終わった直子は、

「はい、少し空きました」

「まぁ、連絡ないのは、たいした事ない証とも言うとよ」

こころは愛機・V-maxに跨がり、直子の不安を打ち消す様にニイッと笑うと、

「ラーメン食べて、それから、寮戻るばい」

「はい」

二人は、ヘルメットを被ると河内長原市方面に消えて行った。


河内長原駅前にある“博多っ娘、純情”は、十年位前に駅前に出来た博多ラーメン専門店である。

店主、辰巳次郎は、40半ばの大阪府河内長原市出身の男であったが、九州大学工学部在籍の折り、博多市内で博多ラーメン店“(はじめ)”を経営する新田(にった)雅治(まさはる)の三女・(たえ)と恋に落ち、交際、そして結婚を認めてもらう為に、大学を辞めてラーメン修行に打ち込んだ猛者である。

博多修行時代は、“一”の天神店を任されていたが、次郎の父親が亡くなった時に嫁の妙を引き連れ、大阪府河内長原市の実家の近くに開店させたのが、“博多っ娘、純情”であった。

この店の特徴としては、本格的な博多ラーメンはもちろんの事、アルバイトの採用条件が福岡県出身である。

これは辰巳なりの妻・妙に対するホームシックを感じさせない優しさでもあった。

そんな“博多っ娘、純情”の前に、V-maxが停まる。

こころは、ヘルメットを脱ぎ、頭を軽く振り、

「ここったい、直子」

直子もヘルメットを脱ぐと、

「“博多っ娘、純情”?」

「来た事、無かと?」

「はい、美味しそーとは、思ってたんですけど・・・」

「この店は、KinKi Walkerの関西の美味いラーメン30選にも選ばれた美味か店ねl」

「マジっすか~、こころ先輩。詳しいですね」

直子は素直に驚いた。

「まぁ、着いてくるとよ」

こころはニヤニヤしながら、店の暖簾をくぐる。

直子も、急いで後を追った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ