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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
42/243

ep.042 こころの決意と見ていた男

「こころ先輩、戸締まりと火、大丈夫です」

戻って来た直子に、こころは黙って手紙を差し出す。

「何ですか?改まっちゃって?」

直子は、こころから手紙を受け取った。

読んでいくに従い、直子の標準が悲しく変わる。

最後には泣いていた。

「先輩、雪江が・・・、雪江がぁ」

こころは、直子を抱きしめてやる。

目を伏せ、

「強か娘ったい、あの稲美さんは・・・。あのコは、アンタの為に死のうとしてると。させん、ウチが絶対させん。そんな事しても誰も幸せならんばい・・・」

「こころ先輩、アタシはどうしたら?」

直子は涙目で訴える。

「そうね・・・。アンタはね、何もせんでよかよ」

「え?」

「普通に接してあげたらよか。全部、ウチに任せると。それから・・・、この手紙はウチが預かるとよ。よかね?」

直子は、コクンと頷く。

こころは軽くため息を()くと、

「さて、トメさん、何処の病院に連れていかれたったいね?直子、連絡ば取ってみてくれんね?」

「はい」

直子は、雪江の携帯に電話する。

「こころ先輩、繋がらないです・・・」

こころは左手を顔に当て、

「ちゃー、しょうがなかね。とりあえず、幾つか大きい病院回ってみて、居なかったら寮で連絡を待つったい。直子、行こう!」

こころは直子に促し、玄関に向かって行った。

直子も後を追う。


その少し前、救急車が入って来たのを見つめる男がいた。

礼司である。

携帯を取り出すと、政に連絡を取る。

「アニキ、礼司です。何かあった様で、救急車が入ってきました。はい、ちょっと待って下さいね・・・。あっ、動きありました。ばーさんがタンカに乗ってます。それから・・・、お嬢さんも一緒に、今、救急車に乗られました。はいっ、はい、了解(わか)りました。後、追います。病院、判明(わか)ったら、また連絡します。じゃあ、はい、切ります。はい」

礼司は、ホンダ・CB400Fourに跨がると、エンジンに火を入れ、救急車を追い掛け始めた。


携帯を切った政は、ベッドの上で深くため息を()き、

《トメさん・・・》

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