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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
40/243

ep.040 オーバーオールとフィギュアスケート

雪江は、どうやら机で何か書き物をしていたようだった。

直子は雪江の服装にかなり驚く、

「服の趣味変わった?ゆっきーは、スカートしか履かない主義じゃなかったっけ?」

今の雪江の服装は、デニムのオーバーオールにロンTといった身体のラインを隠す服装だった。

「趣味が変わったの・・・。ナオ、鷹見先輩、とりあえず、トメさんがお茶を持ってきますから、そこにでも座って下さい」

冷ややかに言い放つと、雪江は座布団がセットされているテーブルを指差した。

直子とこころは、座布団に並んで座る。

キョロキョロとこころが部屋を見回し、ネタを探すと数枚の賞状が目に付いた。

《ん?フィギュアの賞状やなかね。結構いい成績ばい・・・》

「稲美さん、アンタ、フィギュアスケートやってたんね?ウチもスケートもやるとよ。もっとも、こんな身体なんで、スピードスケートしか出来んばい。はははっ」

雪江は、自分を押し殺すようにクールに、

「ええ、中学一年までは母の影響でやってました・・・」

直子は、雪江がフィギュアをしていた事を話してもらってなくて、少し凹んでたが、

「ゆっきー、アタシ、ゆっきーがフィギュアやってたの聞いてないよ」

「ゴメンなさい、わざと黙ってた訳ではないの」

「なら、どうして?」

「話したくなかった・・・」

「え?」

「私ね、中学一年の冬に靭帯を切ってしまったの・・・。医者に言われたわ、日常生活をするには問題ありませんが、フィギュアは無理ですって・・・。目の前が真っ暗になった。そうやって落ち込んでいる時に、二年のクラス替えで、ナオ、あなたと出会った。競技は違っても、コートで汗をかいているナオはカッコよかった」

《ちゃー、薮蛇ったい・・・》

「稲美さん、話難か事聞いて、申し訳なか」

こころは頭を下げた。

「鷹見先輩、お気になさらずに・・・、私がナオに黙っていたのは事実ですから・・・。それで?」

直子がこころと顔を見合わせ、話を切り出した。

「雪江、アタシね、アナタに言わなくちゃいけない事があるの」

雪江は、深くため息を()き、

理解(わか)っているわ、あの兄の事でしょ?」

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