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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
34/243

ep.034 迷惑料としてのウーロン・ハイ・ダブル

「稲ちゃんと岸ちゃんて、呼んでいいですか?」

ランが営業用の潤んだ目で二人を見つめる。

裕一と岸田は頷いた。

《なんや?このねちっこいなぶり回す気持ち悪い視線は?》

ハルナが裕一の視線に気付き、にっこり微笑む。

裕一は、視線を隠すために一気にビールをあおる。

炭酸が心地良かった。

「お代わりくれや!」

ハルナは、ビールのお代わりを手早くつぐ。

岸田は、ランを必死で口説きつつ、裕一をちらりと見る。

「ボン、さすがですねぇ。酒にお強い、かないませんや。男は、こーでなくっちゃなぁ・・・。ランちゃん、俺にもお代わりくれるかい?」

ランが、岸ちゃん強~いと合いの手を入れ、すぐにビールのお代わりをついだ。

ハルナが、裕一に囁く。

「ウチらも、何か頂いて構いませんか?」

「どーしょーかなぁ。今晩、ヤらせてくれるんやったら、かまへんで。へへへっ」

ハルナは冷静である。

「じゃあ、結構です。イランわ」

岸田が慌てて、

「ハルナちゃん、今のボンお得意の冗談やがな。ね?ボン?」

裕一はハルナの肩に手を回し、

「ハルナちゃん、冗談だよ。冗談。君があんまり可愛いから、からかってみたんや。好きなん飲めや」

「いいんですか?」

ハルナとランは仲良くハモる。

「アタシ、ウーロン・ハイ」

「ウチも~」

ハルナは、注文メモにウーロン・ハイ・ダブル、ハルナ&ランと書いた。

ハルナは、右手を高々と挙げた。

「ホナ、遠慮なく~。お願いしまーす」

ボーイが注文メモを取って行った。

実際には、ウーロン・ハイでなく、ウーロン茶が出てくるのである。

しかも、今回は倍の料金であった。

《悪いけど、ボラせてもらうわ・・・。アンタらキモいから迷惑料な!》


ウーロン・ハイを装ったウーロン茶が出てきて、2分もしない頃だろうか、フリーの交代を告げるアナウンスが流れた。

ハルナとランが立ち上がった。

二人とも営業用の潤んだ目で、裕一と岸田を見つめ、まずはランが、

「岸ちゃん、今日はありがとうございました。凄く楽しかったです」

続いてハルナが、

「稲ちゃん、ありがとう。また来てね。今から次の女の子くるから、楽しんでください」

ハルナとランは深々と頭を下げた。

二人が振り返り、立ち去ろうとした瞬間、裕一が声をかける。

「ハルナちゃんにランちゃん、お前ら、おれや」

ハルナとランは目配せした。

《うわぁ、最悪・・・》

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