ep.033 品定めモード、突入
入口から12名のキャバ嬢が並び、いらっしゃいませと頭を下げた。
裕一は並んでいるキャバ嬢を一人づつ上から下までなめ回すように見ては、ニヤニヤしていやらしい顔をする。
岸田が諭し、
「ボン、早く座ってじっくり楽しみましょう」
「そ、そうだな、岸田」
裕一は、ちゃんと答えたつもりだったが、声もすでにエロい感情が入っていた。
キャバ嬢達が、裕一の声にどん引きで呆れて笑う。
《まぁ、こんだけ威厳がない組長も無いわなぁ・・・。問題起こしてもーて、さっさと隠退してもらった方がええわなぁ・・・》
岸田は、ニヤリとほくそ笑む。
裕一と岸田は、とりあえずセットで付いてくるビールを頼む。
程なくして、ジョージ達の目の前に鮮やかな黄色とドレスと赤のドレスを着た二人のキャバ嬢が現れた。
深々と頭を下げ、
「本日は、“シャ・ブラン”へ、ようこそお越しくださいました。ウチは、夜のミナミに咲くひまわり・ハルナで~す」
「ウチは、キャバ嬢だけどホントは大学生・ランで~す」
ハルナとランは、ハモって、
「お隣、よろしいですか~」
と笑った。
裕一の隣にハルナが、岸田の隣にランが座る。
ハルナが裕一と岸田に尋ねる。
「ビールで宜しかったですか?きゃ!」
裕一は、いきなりハルナの尻を触った。
裕一は、大袈裟に謝る。
「ゴメン、手が滑った~」
ハルナは、裕一の手にグラスを握らせビールを注ぎ。
「悪戯な手やね~、気ーつけて下さいね~」
と笑って諭した。
もちろん、目は笑っていない。
ランが空気を変えようと、絶妙のタイミングで名前を二人に尋ねた。
「お名前教えて下さいますか?お客さんでは、仲良くなれませんから・・・」
ランは、さりげなく岸田の手の上に手を重ねる。
岸田は、裕一より偉く見られているのが少し嬉しいらしく、ニヤつく。
「ボン、教えてやったら如何です?」
裕一は、踏ん反り返ると、エラソーに答えた。
「しゃーないなぁ、お前らがそんなに聞きたがってたら、特別に教えたるわ。俺は、稲美。コイツは岸田や」
《このアホ、いきなりケツ触ったかと思ったら、態度もデカイやっちゃなぁ・・・。ボンとか言われてるけど、どっかの社長の息子か?》
ハルナは、既に冷静な品定めモードに入っている。




