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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
32/243

ep.032 酷い仕打ちと二十歳前の女

裕一は、山崎の後頭部を踏み付けていたのだ。

山崎の額がアスファルトを擦り、出血する。

回りが騒ぎだしたので、岸田が裕一を止めに入った。

「ボン、そのへんで勘弁してやって貰えませんか?山崎も反省しているみたいだし、なぁ?山崎」

岸田が笑う。

「すんませんでした、組長(おやじ)

裕一は屈みこむと、山崎の流血している顔を持ち上げ、臭い息を吐きかけた。

「あー、気分悪い。山崎~、次ヘタ打ったら、(エンコ)詰めーや。それで堪忍したるわ。お前がヘタ打つのも、楽しみに出来るしのぉ、くくっ」

岸田は冷たい視線を投げかけ、

「山崎、お前は車で待って、頭冷やしとけ・・・」

山崎はうなだれる。

酷い仕打ちであった。

山崎は立ち上がり、裕一と岸田に無言で頭を下げると駐車場に戻って行った。

《あの野郎・・・、いつか・・・》


岸田は、いやらしい笑いを浮かべると、

「ボン、ここはお目当ての店じゃありませんが、下の“シャ・ブラン”にでも行きませんか?意外とボン好みのいい女いるかもしれませんぜ」

裕一は、更にいやらしく笑い。

「そっ、そうだな。ミサトちゃんは次抱けば、いいよな。うん」

裕一の頭の中は、妄想でいっぱいである。

ちなみに、“C'sパール”のキャバ嬢・ミサトの弁護をする訳ではないが、間違ってもその日お持ち帰り出来る事は無いのである・・・。


エレベーターの扉が開き、二人は中に入ると、2階を押した。

チンと無機質な音を立て扉が開く。

こざっぱりしたボーイが、裕一と岸田を出迎える。

頭を深々と下げ、

「“シャ・ブラン”へ、ようこそお越し下さいました。本日は、どの女の子かご指名でしょうか?」

岸田が答える。

「初めてなんで、とりあえず、この店の人気ある女の子を付けてくれ」

岸田は裕一に向くと、

「ボン、これでいいですね?」

裕一は、更にボーイに注文を告げる。

「兄ちゃん、なんぼNo.1でも、23越えてたらイランで。20(はたち)より若い綺麗な女の子で頼むわ」

「かしこまりました。しばらくお待ち下さい」

ボーイは頭を下げ、店の中に消えた。

1分もしない間にボーイが戻ってきて、

「お客さま、お席がご用意出来ましたので、ご案内いたします。こちらへどうぞ」

“シャ・ブラン”の扉が開くと、裕一が進み岸田が続いた。

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