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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
26/243

ep.026 焦げたブーツ

そうしている間に、車は国道に出て、ぐんぐん加速を始めた。

《これはヤバかね・・・》

左手でナイフを振り回している男の手首を捕まえ、天井の縁で男の肘を曲がらない方向に曲げる。

こころの体重が載った腕は、いとも簡単にポキリと折れた。

絶叫と共に、ナイフが天井に落ちる。

こころは左手でナイフを拾うと、一度口でくわえ支える手を替えた。

すぐさま右手にナイフを持ち替えると、左腕に力を込め、上半身をフロントガラスに乗り出す。

二人の男を見てニヤリと笑い、右手でナイフの柄をフロントガラスに叩き付ける。

派手な音を立て、ガラスにヒビが入った。

次に運転している男の目の前に刃がくるように、マークXの天井にナイフを突き立てる。

突然、目の前にナイフが跳び出てきた男は、失禁し叫んだ。

《こんなものか・・・》

車が減速したのを身体で体感し、後方に車が来ていないのを確認すると、車の天井に立ち上がり、後方に背面跳びで飛ぶ。

色鮮やかなサファイアブルーのリボンが舞う。

一回転し両足で着地すると、瞬間、力を込め踏ん張った。

摩擦熱で、ブーツの底が焦げる。

ボディバランスの良さと、圧倒的な力を持つこころにしか出来ない芸当であった。

《ちゃー、ブーツ大丈夫かねぇ・・・。とりあえず、駐車場に戻るったい。ナンバーは覚えたし・・・》


こころは、歩道を“ル・スリィール”に向かって歩きだすと、スカートのポケットから携帯を取り出し、大阪府警・特別資料室の虎谷刑事に電話をかけた。

「あっ、鉄さん、ごぶさたしてます。こころです。この前はありがとうございました。ちょっと調べて欲しい車があって電話してます。はい、ナンバーは、和泉330さ12-XXです。どうしたって?明日伺っていいですか?そん時に話ます。昼前に伺いますから・・・。え?昼飯付き合え?了解です。ウチはトンカツが食べたかです。じゃあ、明日」

《やった!明日、昼、トンカツったい!》

先程の派手なアクションを、すっかり忘れている陽気なこころであった。

直子が心配そうにこころに駆け寄る。

「大丈夫ですか?こころ先輩?」

「ん?あんなもん、たいした事無かよ。さぁ、直子、雪江ちゃんトコ、行くったい」

そう言って、バイクまで走り出した。

追い掛けながら、直子は思う。

《このヒトなら、信用出来る・・・。全て解決してくれる・・・》

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