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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
24/243

ep.024 直子の告白

「何ね、それ!」

こころは、オレンジジュースのグラスをテーブルに叩き着ける。

顔を横に振り、

「なんもかんもおかしか話ね、確かにアンタの友達の直子ちゃんは、かわいそうな目に遭ったと思うと。まったくを持って、ウチは納得出来んとよ」

直子の告白と、彼女が強いられようとしている理不尽な内容に、こころが異を唱えた。

怒りの度が過ぎたのか、頭が冴えてくるのが理解(わか)る。

「直子、アンタ、おかしいとは思わんね?話が出来過ぎとっと」

「こころ先輩、どういう事ですか?」

「話聞いていて、何点か疑問を感じたったい。一つ目は、何故アンタらを襲撃した犯人は、雪江ちゃんだけを暴行したのか?普通、強姦は言い方悪いかけど、()るのが目的ったい。何でアンタを()やらなかったと?アンタと雪江ちゃんの素性を知っていた?だったら、余計におかしか話ね。考えてごらん、直子。もし、二人の娘がおって、片方がサラリーマンの娘、片方がヤクザの娘、アンタならどっちに手を出す?」

「アタシなら、サラリーマンの娘です」

「そうったい。サラリーマンの娘なら、捕まっても警察ね。けど、ヤクザの娘、しかも組長の妹に手を出したら、ウチは警察以外にも、組織による報復があると思うと。普通、絶対、手を出さん相手ね」

「確かに・・・」

「さっき言いよったね?アタシに見せ付ける様にって。これもおかしか点ね。普通、捕まりたくなかけん、目隠しとかするったい。特徴覚えられて、警察行かれたら、終わりばい」

「あっ」

「後、雪江のお兄さんの動きも気になるとっ。なして、タイミング良く、棄てられた場所にすぐ現れたと?連絡もしていないのに・・・。病院に連れていくのはいいとして、何故、警察を呼ばんと?面子メンツ?おかしか話ね。もし、襲われていないアンタがけしかけたって判断になり、その結果、より詳しい話とアンタから話を聞くため堺インペリアル・ホテルで会う必要性があると?日曜日に?」

「それは・・・」

こころは首を横に振り、ため息を()くと、

「ウチも福岡で、ヤクザとやり合った事があるけん、理解(わか)ると。アイツら、身内に泥塗られて、何日も黙ってる人種やなか。普通なら、直子、アンタが怪しいなら吊しあげても、その日のうちに吐かせて出入りね。組長の顔に泥ば塗っとるばってん、組をあげての・・・」

「なるほど」

直子が頷く。

こころは立ち上がり、直子にけしかける。

「直子、今から雪江に会うったい。案内してくれんね」

「はい」

直子の表情は、告白する前に比べ格段に明るくなっていた。

《こん話、根はかなり深そうったいね・・・。いづれにせよ、ウチが全部潰す・・・》

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