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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一年後
239/243

ep.239 寿司屋通りにて

長距離フェリー・はまなすが、小樽に入港したのは夜の八時半を回った頃だった。

秀は裕一を助手席に乗せ、愛車・レクサスを操り小樽の街へ消えて行く。

裕一は、流れる夜の小樽の街並みを見て、

「うわぁ、綺麗」

秀はしみじみとしながら、

「この景色が、今後、貴方の見る風景です。裕一さん・・・。あっ、そうや、腹減りませんか?」

裕一は大きく頷き、

「うん。すいたよ、秀ちゃん」

「お寿司食べませんか?裕一さん。この小樽は、寿司が有名でしてね。確か、この道を行った先に、寿司屋が軒を連ねる寿司屋通りがありますねん」

「お寿司!?食べたい!」

「じゃあ、今夜は俺が・・・、裕一さんにご馳走します」

「ホントに!やったー!!」

裕一は無邪気に喜んだ。


「うわっ、凄いっ!」

裕一は目の前に次々並んでいく寿司を見て、かなり感動している。

裕一と秀は、小樽寿司屋通りに在るこじんまりとした“千代寿司”に入り、お任せで握ってもらうよう頼んだのだ。

裕一は、不思議そうに見た事のない寿司ネタを指差し、

「ねぇ、おじさん。これは何?」

人の良さそうな寿司屋の親方は、

「これはですね、八角って言う魚で。この辺りで捕れるんですよ。白身であっさりしてますが、なかなか美味しいですよ」

秀が促す。

「おもろい!食べてみましょ、裕一さん」

「うん」

二人は八角をパクつく。

「うわっ!」

「美味い!」

次々と二人は、寿司を食べていく。

ウニ、蟹のむき身、大トロ、マグロ赤身、帆立、イクラの軍艦巻き等など。

秀はあがりを一口すすり、チラリと寿司を楽しそうにつまむ裕一を見つめ、

《裕一さん、いままで世話になりました。雪江お嬢さんや組は、俺達がもり立て護って行きます。恵美(めぐみ)さんや(ゆう)ちゃんと、幸せになって下さい・・・。》

視線に気付いた裕一は、涙ぐむ秀に、

「どうしたの?秀ちゃん。食べないの?わさびそんなにキツかった?」

秀は悟られまいと、

「そうですね、もうツーンと・・・。裕一さんは気にせず、しっかり食べて下さい。腹いっぱいになったら、今日の処は宿行きますよ。恵美さんには、明日会いますから」

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