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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一週間後
225/243

ep.225 吠える長門と諭す浅井

次々と“河内稲美会”にゆかりのある親分が、挨拶にやってきた。

先代はもちろん、先々代にゆかり有る者も。

そうやって面識のない親分とも挨拶と名刺を交わし終った頃、“播州田嶋組”の京塚や、下部組織“姫路不動組”の飯本もやって来た。

何食わぬ笑顔で、

「稲美の姐御。ウチの壱野が世話になってたな、今後も宜しくたのまぁ。くっくっく」

それを見ていた“遠州清水組”の長門が吠える。

「飯本、テメエ、新参者のくせにデカイ顔すんじゃねえ」

飯本は相手にせずといった感で、京塚と早々に場を離れた。

雪江は、去り行く飯本の後ろ姿をちらりと見て、

《あれが、岸田を操っていた男。あれが、敵・・・》

京塚と飯本、そして雪江に挨拶しなかった親分が二人、大広間から出ていくが二度と戻る事はなかった。

数日後、“播州田嶋組”及び、傘下の三組織が“天道白虎会”を離脱した連絡が雪江の元に入るのだが、これはまた別の話で。


話を雪江達に戻すと、飯本の台詞に長門がまだいきり立っている姿を見て、かなり高齢の親分がひょこひょこやって来て諭す。

「長門の親分、ここで怒ったらあかん。あんたの株下げるだけや」

「これは、浅井の親分。すんません・・・」

長門は老人に素直だ。

「こちらの親分さんは?」

雪江が長門に尋ねると、

「稲美の姐御、こちらは重鎮の・・・」

浅井は遮り、

「ええよ、自分で名乗るわ。儂は、“湖北浅井組”の浅井や。先々代の幸成はんは、大事な兄貴でな。よく可愛がってもろた」

雪江は驚き、

「浅井の親分、お祖父ちゃん知ってるんですか?」

「あぁ、知ってるも何も、兄弟の盃を契った仲や」

これには長門も驚く、

「そうだったんですか、浅井の親分」

「あの頃はみんな喧嘩っ早くてな。ほっほっほっほ」

雪江は目を輝かせ、

「浅井の親分、今度、お祖父ちゃんの話聞かせてもらえませんか?」

「ええよ、いつでもおいで。儂にも、稲美の姐御の名刺貰えへんか?あの世に行った時、自慢したるんや」

雪江は名刺を手渡し、

「浅井の親分、縁起でもない・・・、お願いだから長生きして下さい」

浅井は、破顔して、

「孫みたいな稲美の姐御に頼まれちゃ、こら死なれへんな。なぁ、長門の親分?」

「ほんとに」

長門も、周りにいる親分衆も笑った。

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