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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一週間後
222/243

ep.222 トメの正体

厳之介は、懐かしい幼なじみでも見る様な面持ちで、

「久しいなぁ、朱雀の。(つら)、上げちゃ貰えねぇかい。下っ端が粗相して、すまなかった。この通りだ」

そう言って、頭を下げた。

大広間の親分衆に動揺が拡がる。

《誰だあの婆さん?総会長(おやじ)に頭下げさせるなんざ、ただ者じゃねぇ・・・。まさか・・・》

直参の伊予多聞一家の多田組長が、困った顔で、

組長(おやじ)さん、紹介して貰えんき?誰かの?」

厳之介は、ガハハと笑い、

「直参は会った事が有らぁ、“河内稲美会”でな」

豊州弁天組の羽出組長は、あっと声を出し、

「あんたは、“河内稲美会”でお手伝いをしちょる婆さん!」

厳之介は膝をパンパン叩き、

「しかし、見事に騙してくれてたのぉ、朱雀のトメ」

トメは顔を上げ、

「気付かないあんたが悪いんじゃねえのかい?白虎の厳之介。あたしゃ、いつ気付かれるか、冷や冷やもんさ。生きた心地がしなかったねぇ。あっはっは」

おそらく大広間で一番驚いているのは、雪江だった。

《えっ?トメさんが、朱雀のトメ?しかも、虎谷の組長(おやじ)さんとタメ口?そもそも、朱雀のトメって・・・?えっ?えっ?》

厳之介は、しょうがねえなぁとため息を付き、

「おめえらに紹介してやるよ。あの(ひと)は、“朱雀のトメ”こと雀村トメ。俺に意見出来る数少ない戦友(とも)で、伝説の女博徒さ」

どよめきが大広間を満たした。

親分衆の中には、存在を知ってる者も居た様で、尊敬の眼差しを向ける。

トメはクスッと笑い、

《あーあ、正体ばらしちゃったよ。おや、雪江が一番びっくりしちゃって・・・。なんだい、だらし無いねぇ》

厳之介は、咳ばらいを一つすると、

了解(わか)った。この稲美のお嬢ちゃん、朱雀に預ける。一人前にしてやってくれ。この通りだ。頼む」

深々と頭を下げる。

《虎谷の総会長(おやじ)さん・・・》

雪江は、心の中で感謝した。

トメもまた深々と頭を下げると、

「無理言ってすまなかったねぇ、白虎の。組での体面(メンツ)も在ろうに・・・。ありがとう、恩に着ります」

トメは雪江に顔を向けると、

「いいかい、雪江。明日から、厳しく躾るからね。覚悟しなっ!」

その言葉は厳しいが、また優しくもあった。

今回のep.222 トメの正体はキリ番です。

記念の評価、ブクマ、感想を頂けるとありがたいです。

宜しくお願いします。m(__)m

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