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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
211/243

ep.211 血で染まる拳

岸田が自身の事務所があるマンションに帰り着いた丁度その頃、桜子とベスのバイク、雪江と瑠奈を乗せた山崎の運転するレクサスが、岸田のマンション駐車場に停まった。

秀が瑠奈と会話しながら降りる。

「そうなんすか、瑠奈さんとハルナちゃんは、従姉妹(いとこ)かぁ。世の中狭いなぁ」

「ぇぇ、本当ですね」

瑠奈は笑った。

雪江の気を紛らわせる為に、秀も瑠奈も必死だったのだ。

片や桜子とベスもヘルメットを脱ぎ、

「ここに彼がいれば、全て終わるのね・・・、桜子」

「そうね。もっとも、雪江ちゃんのお兄さんを薬物中毒者(ジャンキー)にした張本人がいれば、闘わなくちゃいけないけど・・・」

そんな会話をしている最中だった。

拳銃の発射音が聞こえたのは。

桜子とベスは、マンションの上層階を睨むと、エントランス目掛け走り出す。

秀、瑠奈、雪江も後を追った。

マンションの玄関は当然の如くオートロックが掛かっており、人が出てくる気配は無い。

秀が桜子とベスに下がる様言うと、渾身の力でガラス扉を殴りだす。

3回目でひびが入り、7回目で扉は粉々に砕け散った。

秀の拳は血で赤く染まる。

刹那、異常を知らせる警報音が鳴り、

「これで警備や警察もやってきます。急ぎましょう。事務所は、確か9階のはずです」

秀は、岸田の個人事務所に入れてもらった事が無いのだ。

察するに、麻薬の件があったからであろう。

エントランスの先に、エレベーターはあった。

山崎は、ちらりとエレベーターを見る。

エレベーターは下降中だった。

《急がねば!》

「あっしは先に非常階段で、9階まで上がります。お嬢さんがたはエレベーターで」

そう言ってエレベーター脇の非常階段の扉を開け、走って登りだした。

エレベーターが着くと同時に桜子達は乗り込み、9階を押す。

扉が閉まり、瑠奈が驚きの声を上げた。

「雪江ちゃんがぃなぃ!」

気付いた時には遅かった。

扉は閉まり、エレベーターは無慈悲にも上昇を始める。

「もしかして、秀さんの後を追って非常階段を・・・」

桜子は慌てて、間に合う階のボタンを全て押した。

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