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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
209/243

ep.209 麻薬はご法度

桜子は、瑠奈に顔を向けると、

「瑠奈、雪江ちゃんの傍に居てあげて」

「ぅん。任せてょ」

瑠奈は嬉しそうに微笑む。

桜子は、最後にベスに目配せをし、

「ベス。アタシと一緒に行動して。堺、行くわよ」

「何かあった時に、バックアップすればいいのね?」

桜子は頷く。

「そう。さすがね、ベス」

ベスは、褒められ少し照れた。


桜子は、秀、雪江、瑠奈、そして、ベスを次々と見回し、

「じゃあ、行きましょか?最後のケリを着けないと・・・」

時が近付きつつあった。


一方、政は堺の繁華街近くのマンション9階に在る岸田の個人事務所の机の椅子に座り、部屋の主人の帰りを待っていた。

机の前には応接セットが置かれ、胸を打ち抜かれた中年女の遺体が一人用ソファーに座らされている。

政が来た時には、既に遺体は在った。

《惨い事を・・・、南無・・・》

そう、その遺体の正体は、岸田が自身の不注意から殺してしまった愛人のそれである。

ガチャリ、玄関先から扉の開く音が聞こえ、誰かが入ってきた。

「ったく、酷い目にあった。おい、誰かいるのか?」

聞き覚えのある声、岸田だ。

政は黙ったまま、岸田が入って来るのを待った。

「なんだょ、居るなら返事ぐらいしろよ」

そういって入って来た岸田は、政の顔を見て固まる。

「柳沢・・・、何でここに・・・。お、お前、生きていたのか・・・」

岸田は、手前のソファーに目をやり、

「!、何でコレが・・・」

政は、岸田が吐いた台詞を見逃さなかった。

岸田を鋭い目付きで睨み付け、

「随分な言い方じゃねぇか、岸田さんよ。今の台詞だと、何故この女性が死んでいるのか、知っているみてえだな。まさか?アンタが()ったのか?」

岸田は首を横に、何度も何度も振り、

「ち、違う・・・。お、俺じゃねぇ。俺じゃねぇんだ・・・。そ、そうだ・・・、柳沢、お、お前が殺したんだ!お前が俺を陥れようと・・・」

刹那、政は机の上に麻薬の入った袋をぶちまける。

「じゃあ、金庫に隠してあったこの麻薬(ヤク)は、どう説明してくれるんだ?これも俺が持って来たのか。他の組は知らねえが、“河内稲美会”は麻薬(くすり)はご法度。忘れたとは言わせねぇぜ、岸田!」

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