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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
208/243

ep.208 雪江の決意

雪江は口元を引き締め、覚悟を決めたのか、

了解(わか)りました。恵美さんと優ちゃんは、兄さんの言葉通りサポートさせて貰います」

裕一は安心したのか、淋しく笑い、

「これで心置きなく壊して貰える。鷲尾さん、僕を壊したら、警察に突き出して下さい。さぁ、頼みます」

桜子は裕一の目の前に立つと、静かに目を閉じる。

“カッ”と見開き裕一を固まらせ、耳元で囁いた。

裕一はそのまま倒れ、動かなくなった。

雪江は駆け寄り、裕一を起こす。

自然と言葉が出た。

「兄さん・・・」

桜子は雪江に囁く。

「人格を小学生に戻し、そのまま成長出来ないようにしたわ。安心して、今は眠っているだけ。雪江ちゃん、アナタの嫌な記憶だけを、消す事も出来るけど・・・」

雪江は首を横に振り、

「いいえ、桜子先輩。アタシは、この傷を背負って生きていきます。それが“稲美会”を継ぐ覚悟だと思うから・・・」

「そう・・・」

刹那、桜子は雪江を魅入る。

目を閉じた雪江に、一言だけ囁いた。

雪江は、瞬間的に意識を戻し、

「あれ?桜子先輩、アタシに何かしました?」

桜子はにっこり微笑み、

「いいえ、何にも」

桜子は振り返り、指示を出す。

「こころ、鉄さんに連絡を取って。河内稲美会元会長・稲美裕一が自首するからって。その方が罪は軽いわ。罪状はおそらく、薬物だけで済むと思うし」

こころは頷き、

「よかよ。直ぐに連絡入れると!」

「それから、ローズィー。雪江ちゃんのお兄さんが目覚めたら、車に乗せ大阪府警本部へ連れて行って。そうね、こころ、アナタも同行して。それから、藍も。万が一、麻薬(くすり)の影響が出たら、“晴明”で抑えて。いい?」

「Yes, Mom!」

「あいっ」

今度は皐月に目を向けると、

「皐月、ここに残って、恵美さんと優ちゃん、そして、直子ちゃんのフォローをお願い。トメさんも、お願い出来ますか?」

皐月は頷き、

「了解。リーダー」

トメも頷き、

「とりあえず、優ちゃんにご飯作って、皆さんが戻るの待ってるよ」

桜子は、トメさんと秀に尋ねる。

「それから、山崎さん、トメさん。政さんの行きそうな場所に心当たりは?」

トメは秀を見て、

「岸田の所かねぇ・・・」

「だとしたら、堺だ」

桜子は、ふむといった面持ちで、

「山崎さん、案内して下さい。雪江ちゃん、一緒について行って。出来るわね?彼を止めれるのは、アナタだけだわ」

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