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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
202/243

ep.202 冴子ママから、愛しい裕一へ

愛しい裕一へ


この手紙を読んでる貴方は、幾つになっているのかな?

もう大人になってお嫁さんでももらっているのかな。

もし、高校生ぐらいでこの手紙を見つけていたら、それはそれでママは嬉しいかも・・・。


今、ママはこの手紙を、雪山の見える病室で書いています。

真っ白な雪がキラキラ光って、汚れていない貴方の心のようです。

裕一が良い子に育つといいな。

きっと貴方はすくすく育ち、立派な人になってるに決まってると、ママは信じています。

ううん、立派にならなくなんていい。

元気で居てくれたら、それだけでママは幸せです。

だって裕一、貴方は、私と裕太郎さんの大事な大事な宝物だから・・・。

本当に生まれてきてありがとう。


でも裕一、これから寂しい思いをさせてごめんなさい。

あなたのパパは、この前天国へ召されました。

事故だったらしいです・・・。

でもね、あなたのパパは、すごく強くて義侠心を持った優しい人で、ママだけを愛してくれました。

パパに愛された事は、ママにとって誇りです。

もちろん、生まれてきた裕一、貴方も。


裕一、ママは貴方を残して居なくなるけど許してね。

今、ママは、白血病という病気にかかっています。

血の癌らしいです。

お薬を飲んでたら、直る事もあるらしいけど・・・。

ママの場合は、身体のあちこちにも転移してるって、昨日、先生に説明を受けました。

後、一ヶ月だって・・・。

もっともっと、裕一、貴方と過ごしたかった。

幼稚園の入学式、小学校の夏休み、反抗期の中学校、もっともっと・・・。

歳を取って、ある日、貴方が私の前に可愛い女の子を連れて現れ、きっとこう言うの、『母さん、俺、この娘と結婚する』って。

いずれ、その娘との間に子供が出来て、私はおばあちゃんになるんだわ。

そうやって、命って繋がっていくのが本当なのに・・・。

でも、裕一、こんなママを許してね。

淋しい思いをさせるけど、許してね。

ママは、もうすぐこの世から消えてしまうけど、ずっとずっとずっと貴方を星になって見守っているから。

愛しています。


思いを込めて。


冴子

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