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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
200/243

ep.200 巻き戻される記憶

桜子は静かに目を閉じ、次の瞬間、カッと見開く。

裕一の身体がビクンと固まった。

耳元で囁く。

「そうね、記憶を遡って貰おうかしら・・・、未だ“麻薬(くすり)”を使()る前のアナタに・・・」

裕一の頭の中で、記憶の巻き戻しが超高速でかかる。

「うわああぁぁあ!」

裕一は、頭を抱え叫んだ。

しばらくして、裕一が頭を上げる。

その顔は、憑き物が落ちたかの様に穏やかだ。

「え?何で僕は実家に居るんだ?大学に行かなくちゃならないってのに・・・。それから、君達は誰だ?」

桜子はニィっと微笑み、

「はじめまして、稲美裕一さん。アタシは鷲尾桜子。アナタの妹さんの通う高校の生徒会長」

裕一はかなり驚き、

「え?君は何を言ってるんだ?雪江はまだ、中学1年のはず・・・」

桜子は静かに首を横に降り、

「今は、20XX年・・・。アナタが神戸の大学に通っていた頃から、三年が過ぎているわ。その証拠に・・・」

桜子は、裕一の着ているスーツを指差す。

「え!?何で僕は、こんなウチの組員が着るようなスーツを着てるんだ?いったい何が・・・、何が起こってるんだ?教えてくれ!」

淋しく笑うと、桜子は語りだす。

「アナタは、自分の弱さや寂しさから、幾つかの罪を犯してしまった。酒に溺れ、麻薬に手を出し、お金を使って学生を買い、更には妹も・・・」

裕一は、桜子の言葉を信じる事が出来ず。

「まさか、どうして僕が・・・、ましてや、雪江まで」

「信じられない様ね。いいわ・・・」

桜子は、また裕一の耳もとで囁いた。

人格は昔の裕一のままで、犯した罪を断片的に見る様に、と。

裕一は叫び声を上げ、俯き固まる。

顔を上げた時には、号泣していた。

「僕は・・・、僕は・・・、何て事をしてしまったんだ!実の妹を、強姦(レイプ)しつ続けてたなんて・・・」

裕一が悲痛な告白をした時、リビングの入口からガタンと何が落ちる音がする。

全員が視線を向けると、そこにはハンドバッグを落としたトメ、雪江、直子、そして、山崎が立っていた。

トメは唇を噛み締めると、つかつかっと裕一に近寄くなり・・・。

ぱちん。

右手で裕一の左頬を叩いた。

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