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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
198/243

ep.198 精一杯の作り笑顔と桜子の勘違い

大阪府富田森市にある“河内稲美会”に、桜子達のバイクが停まっている。

エンジンはまだ温かい。

どうやら、桜子達は稲美邸に入っている様だ。

もちろん、スーツケースの中の裕一も一緒に・・・。


その少し前、奈良県吉野から大阪府河内長原・聖クリを目指し、一台の黒いレクサスが国道169号線を経由し国道309号線をひた走る。

運転するのは、秀であった。

助手席には緊張の面持ちのトメがおり、

「秀、急いでおくれ。政を止めれるのは、おそらく雪江しかいないと思うから・・・」

秀はトメを安心させようと、精一杯の作り笑顔で、

「大丈夫、トメさん。俺がぶん殴ってでも、会長(おやじ)止めますから・・・」

そう言ってはみたものの、秀にはある疑問が頭に浮かんだ。

《そういや、俺、このトメさんについて、あまり知らへんよな。俺が“河内稲美会”に入った時には、もう居てたし。噂では、先代の組長(おやじ)が、入った時も既に居てたって聞いた事も在ったよな。んで、今、雪江お嬢さんの事、“雪江”って呼び捨てで()ーたし。やっぱり、オムツの頃から世話してるからかなぁ・・・。ほんで時折、粋な三味線弾くんやなぁ・・・。解らん・・・。元々、どんな人なんやろ?トメさんて》

秀がそんな事を思っているとは、トメは全く気にする様子も無い。

少し安心したのか、助手席でうつらと船を漕いでいた。


こころが、稲美邸の長い廊下を裕一の入ったトランクを押しながら、

「で、この馬鹿兄貴どうすっと?」

桜子は振り返り、

「とりあえず、この先のリビングで、そいつを解放して。決着を付けるから」

こころとローズが裕一をスーツケースから出し、ソファーに座らせる。

もちろん、目隠し、さるぐつわ、そして、両手は後ろで縛ったままで。

桜子が裕一の前に立ち、彼女以外の“はねくみ”メンバーが、少し距離を置いて裕一を取り囲む。

桜子は藍を見ると、

「藍、アナタの“晴明”を使って手伝って欲しい。安部流陰陽道に確かに在ったわよね?確か“縫影(ぬいかげ)”。この雪江ちゃんの兄貴は、薬物中毒者(ジャンキー)だから、本能レベルで抑え込まないと、アタシの鷲尾乙女流幻術が効かないの」

桜子は、どうやら藍自身が安部流陰陽道の使い手だと思っている様だ。

実際には、安部晴明が憑依しているのだが・・・。

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