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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
196/243

ep.196 ウチも出来るとよ

こころは、ちらりと仲間を見て、

「そうと?」

ベスも頷いた。

「なら、よかとよ」

こころも、どうやら納得し、へへっと笑った。

桜子が手を叩き、場を仕切り直す。

「いい、皆んな?」

メンバー全員、息を飲み頷く。

「今から富田森の稲美邸へ行って、そこでこの禍々しく忌まわしい関係を全て清算する。改めて聞いてほしいけど、今から言うのは、あくまでもアタシの私論ね。雪江ちゃんの実家のヤクザの組がどうなろうと、アタシは知ったこっちゃない。アタシは、アタシの可愛い後輩を、護る為だけに闘う。ただそれだけ。邪魔する奴は、全力で排除する」

メンバー全員頷き、

真っ先に瑠奈が、

「同じ思ぃだょ、桜子ちゃん」

そう言って右手を差し出す。

「アタシもね・・・、確かにその為には、全てを破壊してもいい」

黒い風を身に纏い、ベスも右手を重ねた。

更にその上にローズも右手を重ね、

「It's time for close. (幕引きの時間ね)」

藍も右手を重ね、

「悪さした男はんには、それなりに後悔して終わってもらいませんと」

いつになく口調が怖い。

「決着つけるとよ、桜子」

そう言って右手を置いたこころの上に、桜子も右手、更に左手も重ね。

「これは今こっちに向かっている皐月の分。じゃあ、気合い入れてくよ!はねくみぃ!」

『ファイッ!』

ドンと左足を踏み込み、組んだ手を気合いを入れて崩した。

桜子は、一気に伊右衛門を飲み干すと、空のペットボトルをごみ箱の小さな穴に投げつける。

カコーンと小気味いい音を発て、ごみ箱の奥に消えた。

こころもニヤリと笑い、

牛乳の1リットルパックをグッと圧縮すると、

「ウチも出来るとよ」

そういって投げつける。

牛乳パックは、確かにごみ箱に消えた。

ガゴーンとどデカい音と引き換えに、中のゴミを撒き散らして。

こころは顔を真っ青にすると、

「ちゃー、やらかしたとよ~~~」

藍が屈託なく笑い、

「ほんま、こころちゃんは加減を知らん、力馬(ちからば)・・・」

ベスが慌てて藍の口を抑え、

「藍、ややこしくなるから言わないの」

軽くため息を()いた瑠奈が、そそくさとセブンイレブンに箒とちり取りを借りに走っていった。

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