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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
191/243

ep.191 桜子が見たモノは・・・

桜子はエレベーターに向かいながら、藍とベスに声を掛ける。

「藍、ベス。あのリリーシャが出てきた部屋には、絶対近付かない事。理解(わか)って?」

藍とベスは、お互い顔を見合わせ頷く。

桜子が決まってこう言う時は、従った方が良い。

二人は本能でVIPルームの中に、禍いがある事を(さと)ったのだ。


桜子はエレベーターに乗り込み、フロントのボタンを押す。

扉が閉まり、静かに下りゆくエレベーターの中で、自身を抱きしめた。

悪寒が背筋を駆け抜ける。

《あのリリーシャとかいう女・・・》

何も出来なかった自身が、歯痒い。

唇を触ってみた。

まだ感覚が少し残っている。

《こんなんじゃダメ。もっと強くならなきゃ・・・、もっと・・・》

桜子は自身に言いきかせると、うっすら浮かんだ涙を袖で拭った。

無機質なチンという音が響き、エレベーターがフロントに到着した事を告げる。

静かに扉が開いた時には、いつもの冷静な桜子に戻っていた。


「ふーん、桜子がそんな事を言ったと・・・」

こころが裕一の入ったスーツケースを押しながら、チラリともう一つのVIPルームを見た。

桜子から連絡が入る。

『こちらは完了。防犯用録画テープも全て押収。スタッフの記憶操作もね。それから、こころ』

こころはインカムを触り、

「何ね?桜子」

『後でいいから、鉄さんに連絡を・・・。そうね、堺インペリアル・ホテルのVIPルームに、常軌を逸した死体があるって』

こころはもちろん、インカムを着けているメンバー全員が、え”ーーーっと叫んだ。


桜子達が裕一を拉致り堺インペリアル・ホテルから撤収した頃、《ケルベロス》の黒塗りのバスは再び同ホテルの裏に停まっていた。

もちろん、タケのベンツも、更に見慣れない真っ黒なボルボもすぐ後ろに停まっていた。

どうやら、ジョージが援軍を頼んだらしい。

シゲ、ヒロ、シュウの三人が、地下1階駐車場のヤクザ達を搬出する。

ジョージ、タケ、そしてボルボでやって来た新たな三人は最上階レストランに居た。

ジョージが惨状を見るなり、ニヤリと笑い、

「よくもまぁ、嬢ちゃん達、コレだけ派手に暴れたもんだ。ダン、サトシ、それにケン、すまなかったな援軍頼んで」

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