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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
189/243

ep.189 捕獲完了

“闇より出でし者”リリーシャが消えると、藍(晴明)の金縛りも解けた。

首を回しながら、桜子に近付き、

「いやー、酷い目に遭ったのぉ、嬢ちゃん」

ベスも駆け寄り、

「大丈夫?桜子?」

桜子は顔面蒼白になりながらも、

「さっきの女、“リリーシャ”と名乗った。ロシア語みたいな言葉で・・・」

そう言うと、口をジャケットの袖で拭いた。

何も出来なかった自分が、腹立たしく思える。

それは晴明が憑依している藍や、思わず桜子の前で魔法を使ってしまったベスも同じ思いの様だ。

そんな矢先、もう一つのVIPルームが激しい音を発て、“河内稲美会”会長補佐・岸田と補佐付け・小森が転げて飛び出してきた。

岸田は、レストラン内をチラッと見るなり、

《おいおい、ヤベえ・・・。全員倒されてるがな・・・》

小森の背中をドンと押して、逃げ出した。

桜子は思わず鉄扇を投げようとするも、既に投げてしまっており無駄な事に気付く。

《しまった!》

一方、背中を押された小森も、慌てふためきながら懐から拳銃を取り出す。

しかし、標的を変えた桜子に“散華”を喰らい、裸に剥かれると失神してしまった。

岸田の姿はもう見えない。

もしかすると、この逃げ足の速さがこそが、岸田と言う人間を最大に表現しているのかも・・・。

そして、桜子、藍、ベスは、二人が飛び出してきたVIPルームを見る。

ターゲットがそこに居た。

裕一はニヤケ顔で、もくもくと肉を頬張っている。

桜子は、すぅーっと深呼吸すると、わざと靴音をさせ裕一に近付く。

真後ろから声を掛けた。

「雪江ちゃんのお兄さん、お待たせしました」

裕一が鼻の下を伸ばし、振り返りながら、

「おぅ、遅かっ・・・」

彼が最期に見たのは、怒れる乙女の鉄拳だった。

裕一は、歯を折られ吹っ飛び、背中から壁にぶち当たる。

当然の如く、テーブルの上の食器を、自身の身体で撒き散らしながら・・・。

桜子は、軽く右の拳を振ると、チラッと裕一を見て、

「手間掛けさせるな、この下衆(げす)が!」

そして、インカムを触り、

「捕獲完了。こころ、ローズ、最上階レストランまで取りに来て」

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