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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
186/243

ep.186 切断された弾丸

“河内稲美会”会長・稲美裕一は、いらつきながらステーキを頬張っている。

いつも愛用しているVIPルームが、使えないからだ。

ホテル側から説明を受けた岸田の話によると、さる外国の要人が使用しているらしい。

裕一は仕方なく、向かいのもう一つのVIPルームを使っていた。

《外人さんなら、しょうがねえか・・・。揉めて警察(サツ)の世話にはなりたくねぇし・・・》

裕一は、もう一口肉を頬張り、

《ま、もーちょっとすれば、雪江のツレを楽しめるしな。ぐふふっ、処女かなぁ?処女を無茶苦茶するのも、悪かねぇな・・・》

裕一にしては、機嫌を良くする妄想を抱いてニヤニヤしていた時、タイミング悪く岸田が話掛ける。

「あ、あのー、ボン?」

裕一はギロリと睨むと、

「何や?女、来たんけ?」

岸田は額の汗を拭きつつ、

「あっ、いや、そーじゃなくって・・・、壱野がなかなか帰ってこないと思いまして・・・」

裕一はガシャンと大きい音を発てて、フォークとナイフを置くと、

「俺の知った事か!」

岸田は首を竦め、

「ひっ、すいません。すいません、ボン」

室内にはもう一人の舎弟・小森がおり、岸田が責められる光景を笑えずに我慢していた。

岸田は、小森を睨み、

「オドレは、何ニヤついとんじゃ!」

顔面をいきなり殴りつけた。

完全な八つ当たりである。

その時であった。

扉の向こうから、舎弟達の悲鳴と嗚咽が聞こえてきたのである。

小森が扉を開けようと、ドアノブに力を加えるが、開く事は無かった。

鍵は掛かってないはずなのに・・・。


藍は雄叫びを上げてレストランに突入するなり、“昇華”の刃先をヤクザの一人に向け、

「おまんらか?、“河内稲美会”っちゅーダニは?この土佐の狂犬・岡田(おかだ)以蔵(いぞう)が相手しちゃるき、かかってこいやぁ!」

日本刀を見るなりヤクザの一人が、躊躇(ためら)いも無く藍に向け拳銃を撃つ。

藍はかわす事もせずに、高速の速さで空を切った。

ポトリ。

真っ二つに切断された弾丸が、藍の足元に落ちる。

実に奇妙な光景だった。

ツインテールの超美少女が器用に日本刀を操り、野太い声で叫ぶのだから・・・。

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