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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
182/243

ep.182 こころ、危機一髪

こころは、男の右太股に突き刺さった短刀を見て、

「大丈夫、これ位じゃ死ぬ事は無かと」

無邪気に笑いながらそう言い放ち、半円を描きながら右足首を男の頭上に持っていくと、踵を雷の如く落とす。

逃げ場のない力のベクトルは、男の身体を突き抜け大地へと還っていった。

男は白目を剥き、うわ言を漏らすとそのまま倒れ込む。

「悪か事するけん」

刹那、こころの首筋に鉄の冷たさが伝わる。

「手を挙げてろ!」

最後に残った男が、拳銃をこころに突き付けていたのだ。

《ちゃー、やらかしたと・・・》

こころは軽くため息を()くと、しかたなく両手を挙げた。

更に男は、ローズに対して吠える。

「お前も拳銃(チャカ)棄てねーか!この女がどうなってもいいのか!」

ローズは、男がこころに拳銃を突き付けた瞬間に、自身もホットパンツから拳銃を引き抜くと、男の顔に狙いを定めていたのだ。

《Oh, shit! How could be・・・.(あっ、しまった!どうしたら・・・)》

こころは、意を決しローズを見ると、

「ローズ、気にする事はなか。遠慮無く撃つとよ!」

「じゃかましんじゃ、この(アマ)!」

そう言って、男が拳銃を首筋から離し、グリップで殴りつけようとした瞬間、ほんの僅かだが隙が生まれた。

《!!!、今と!》

こころは、しゃがむと直ぐさまジャンプし、拳銃を狙い、ローリング・ソバットを放つ。

足の裏が綺麗に、男の拳銃を持つ手にヒットした。

計ったようにローズは、拳銃を投げ付け、男の顔面に直撃させる。

グニャリと鼻が潰れた。

更に、ローズは雄叫びを上げながら走り出し、左のラリアットを男の首筋に叩き込む。

そのまま地面に叩き付けられていれば、まだマシだったかもしれない。

同じタイミングで、こころがムチのように左脚をしならせ、体重を載せたハイキックを男の首筋の後ろに放っていたのだ。

骨が砕ける嫌な音がして、男は哀れにも崩れ落ちる。

ローズは、こころに目を向けるとニッコリ笑い、

「Nice fightネ!」

「アンタも!」

そう言って交わすこころとローズのハイタッチが、公園に快く響いた。

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