ep.181 コンナニ可愛イーイ、Ladyナーノニ!
拳銃を受け取ったローズは、拳銃をチラリと眺め、
《Wow! Beretta M92, Not so bad! (ワォ!ベレッタM92、悪くはないわ!)》
手慣れた手つきで、瞬間的に弾装を外し、弾丸を数える。
中はフルの15発。
再びマガジンをセットし、安全装置を外した。
ここまでローズが拳銃を受け取って、掛けた時間は3秒ジャスト。
もちろん、動きながらである。
トリガーを引く躊躇いは無かった。
渇いた音が続けざまに、14発響いた。
ローズは正確に2人の拳銃5人の短刀を持つ手を、そして、動きを封じる為にどちらかの太股をあっという間に撃ち抜く。
ローズは、拳銃をホットパンツの後ろに突っ込むと、傷を負い戦意を喪失して、逃げようとしている7人に襲い掛かった。
こころも続く。
こめかみを殴られ泡を吹く者、顎を割られ血をたらす者、金的や鳩尾に蹴られ嗚咽を漏らしながら意識を失う者、そして、中には逃げようとし自身でコケてコンクリートに頭をぶつけ動かなる者もいた。
先程、こころに短刀の持つ手を蹴られた男は、慌てふためくと携帯を取り出し、壱野に掛ける。
「あっ、アニキ。助けてくだせえ!こいつら、バケモンみたいに強ええ。う、うわ。こっちに来るな。あ”~~~・・・」
携帯を持った男が襲ってくると、こころは屈んで脚を払う。
男が倒れた処に、今度はローズが踵を後頭部に落とす。
鈍い音がして、地面に血の華が咲いた。
「人の事を化け物みたいに、言っちゃ駄目とよ。ウチら普通の女の子ったい。ね、ローズ!」
別の男に浴びせ蹴りを入れ、倒したばかりのローズはニッコリ笑い、
「本当デースネ。コンナニ可愛イーイ、Ladyナーノニ!」
残るは、後2人。
素手だった男達は、武器を拾う。
こころは短刀を拾った男に顔を向け、自身の胸を指差すと、
「おっさん、ココば狙わんと、魂ば取れんとよ」
怒りを現わにした男は腰の高さで短刀を構えると、こころにぶつかって来た。
刃が肉に突き刺さる音がして、呻き声がする。
「うっ、うわっ。何じゃこりゃ~!えっ、手。いや、脚、俺の脚~!」
短刀は根本まで、男の脚に突き刺さっていた。
男の手首も、本来曲がらない方向に曲がっている。
男がぶつかる直前、こころが短刀を持つ男の手を素早く掴み、そのまま折ると、力任せに突き刺したのだ。