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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
179/243

ep.179 淫靡な舌と吠える美獣

《また空間が振動・・・。むっ、これは古代ゲールの精霊魔法。こんな東洋の島国で遭遇するとは・・・》

ブロンドの女は、ワイングラスに入った怪しい深紅の液体を飲み干すと、お代わりを求めた。

長い舌をチロリと出し、淫靡に口の周りをなめ回すと、

《面白い・・・》

ソムリエが怪しい液体を注ぎ、年代物の赤ワインでそれを割る。

『ありがと、下がっていいわ』

再びロシア語?のような言葉を再び話し、ソムリエを下がらせる。

何かを感じとったのか、目を細め指を絡ませるとニィと笑う。

《ほぉ、最初に空間を振動させた者が、やって来るか・・・》


息を弾ませながら、こころとローズは走る。

すぐ後ろから襲撃を受けた“河内稲美会”壱野派のヤクザ達が、罵声を上げながら追い掛けてきた。

こころの左手に淋しげな公園が見えてくる。

《よか公園ね。ここで戦闘(バト)るとよ》

こころは、ローズをちらりと見た。

ローズも同じ意見だった様で、ウィンクすると、

「Parkデ、Fightスルネ」

流石は、二人とも現役のアスリートである。

少し走ったくらいでは全く息切れする事も無く、むしろウォーミングアップになり丁度良かった。

逆に、同じ“河内稲美会”の山崎一派なら普段から鍛えているので、これ位の距離を走っても屁でもないのだが、今走っているのは壱野派である。

普段は、恫喝など(やから)を言って仕切ってる連中なので、公園に着いた頃には汗ばみ息も絶え絶えになっていた。

ほんの少しの距離であったにも関わらず・・・。

彼らを走らせていたのは、いわゆる体面(メンツ)という奴である。

公園までこころ達を追い掛けて来た連中は、全部で15人。

「ほぅ、少しは楽しめそうとよ、ローズ」

そう言うと、ヤクザに向かって走り出した。

ローズも、ニヤリと笑い続く。

《Exactly, No boring! (ホントね、退屈しそうに無いわ!)》

時間の進む速度が落ちたように感じられ、こころとローズが獲物を求め咆哮する。

そこに迷いや慈悲は一切無く、ただ如何に()るかしか興味を持てない二匹の美しき獣がいた。

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