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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
177/243

ep.177 瑠奈のパンチとキレたベス

壱野に命ずるられるがまま天塚と鈴村は、瑠奈とベスに狙いを定める。

鈴村は、かなり鼻息を荒くして、

「あっ、天塚くん。ぼ、ボク、お人形さんみたいな外人の女の子がいいな」

「鈴ちゃんは、ホントに美少女好きだな。今は拉致るだけだぜ。強姦()っちゃいいかは、壱野のアニキに確認取らないとな」

鈴村は鼻の下を伸ばし、ニヤニヤすると、

「だっ、大丈夫だよ、あっ、天塚くん。ちょ、ちょっと捕まえる時、おっぱい触るだけだから。はぁはぁ」

天塚は、深くため息を()くと、

「しょーがねぇなぁ。ほら、行くぞ」

天塚は瑠奈を、鈴村はベスを目指し駆け出した。


瑠奈は丁度、3台目に取り掛かろうとした矢先、後ろから声を掛けられる。

「嬢ちゃん、何ヒトの車に、イタズラしてるのかなぁ?」

「!?」

瑠奈が恐る恐る振り返ると、腕組みをした小太りのチンピラが立っていた。

瑠奈はとっさに頭を下げ、

「すっ、すぃません」

「話があるちょっとお前、こっちに来い」

そう言って天塚が瑠奈の右腕を捕まえた時、カウンターで瑠奈の左フックが天塚の顎先を掠めた。

「おっ、お前何を・・・」

天塚は膝を着き、瑠奈の集中砲火を浴びる。

ジャブ、フック、ストレート。

瑠奈の最初の(フック)が頭蓋骨の中の脳を揺らし、平行感覚を奪っていたのだ。

みるみる天塚の顔が腫れていく。

「や、止めて・・・」

最後の言葉をいい終わる前に天塚は、気を失う。

瑠奈が踏み込み渾身の左アッパーを、天塚の下顎にぶち込んでいたのだ。

天塚は綺麗な放物線を描き頭から落ちると、泡を吹き動かなくなった。

「ぁっ、ベスちゃん」

瑠奈がベスの方を見ると、『メテオ・ドラグーン』の掛け声と共に、かなりのスピードでもう一人のヤクザが、ぶっとばされた瞬間だった。


ベスは襲われた際に胸を触られたのが、かなり機嫌をそこねる行為だったようで、

「面倒臭い・・・、全て壊してやる・・・」

ベスは、右手の人差し指と中指をピンと伸ばし、左手首のブレスレットのクリスタル、サファイア、エメラルドの順に触り、空中に古代ゲール語で魔法陣を描いていく。

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