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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
173/243

ep.173 幻影に追われ、後悔なさい

襲撃する車両をそれぞれ確認し、行動を起こした処、桜子達は不思議な光景を目にする。

硬直しているのだ・・・。

しかも、全員。

《コレって、まさか・・・》

プレジデントを覗き込んだ桜子が、インカム越しに確認する。

「こころ、ローズィー、そっちも固まってる?」

『そうったいね』

『コッチモ、デース』

《ははーん、さては・・・》

桜子は、ちらりと藍を見る。

無邪気に笑っていた。

「藍、“晴明”使ったでしょ?」

『お手伝いしただけ。と言うてますえ。くすっ。ただ・・・』

「ただ、何?」

『へえ。なんでも仮で固めてるだけよし、トドメはそちらで頼むとも言うてますなぁ・・・』

その言葉を聞くなり、桜子はプレジデントのドアを開ける。

ジャケットから鉄扇を引き抜き、運転席で固まっている若い衆の顔面に思い切りそれを叩き込んだ。

若い衆の前歯が折れ、痛みと共に気を失ったのを確認し、次の獲物に向かう。

シーマの男は、ニンテンドーDSで何やらRPGゲームをしていた様で、丁度、戦闘シーンで固まっていた。

桜子はシーマのドアを開け、男の衿を掴む。

そして、その男の体重を利用して車から引きずり出すと、倒れこんでいる男の顔面に左足で蹴りを入れた。

男は1メートル程浮くと頭から落ち、鈍い音と共に泡を吹いて気を失う。

皮肉にも、ゲームでは“改心の一撃”が出ていた。

桜子は目を細め、

《あら残念、アナタには“痛恨の一撃”ね》

丁度、反対側から男の悲壮な叫びがほぼ同時に三つ聞こえ、こころとローズが男達を屠ったのが伺えた。

桜子は二人に呼びかける。

「こころ、ローズィー。その三人、こっちに連れてきてくれる?」

「了解!」

「ハーイ、了解ネ~!」

インカム越しではなく、大きな声で答える二人が闘いの終わりを告げていた。


こころとローズ、そして、桜子は、倒した男達を集めると、意識を取り戻させた。

当然の事ながら、男達は自身のベルトを外され、後ろ手て拘束されていた。

「オドレら、何処のモンじゃ!クソがっ!」

男の一人が吠える。

桜子が男達の視線を集め、左人差し指を口に持っていき、しーっと黙るポーズを取る。

静かに目を伏せ、見開いた。

途端、男達は動かなくなった。

桜子は次々と男達の耳元で、何か囁く。

囁かれた男達は、直立すると冷や汗を浮かべ、うわあぁぁあと叫びながら走り出し、自身で駐車場の壁に頭をぶつけ続け気絶してしまった。

中には失禁した者も・・・。

桜子は口角を吊り上げ、シニカルに笑うと、

「悪いヤツの味方するから、こうなるのよ。幻影に追われ、後悔なさい」

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