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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
三日目
169/243

ep.169 翼あるもの、駆ける。

日曜日朝の9時、聖クリ・聖マリア寮201号室、桜子達の部屋に、軽く朝食を終えた“はねくみ”メンバーが外出する準備をして集まった。

建前は、全員仲良くツーリングである。

「さて皆んな、用意はいい?」

桜子は、まだ北海道から帰っていない皐月、自宅から合流する瑠奈以外の メンバー全員を見回した。

全員それぞれ“はねくみ”特製のライダージャケットに、桜子は革のライダーパンツ、こころとベスはデニム、藍は赤いチェックのミニスカート、そして、ローズは革のホットパンツにニーパッドを着けていた。

桜子は、こころをチラリと見て、

「で、こころ。雪江ちゃんと直子ちゃんは?」

「今頃は、学校の体育館で、バレーボールをしとるとよ。雪江ちゃんも参加出来る様に、二上先輩とみぃに頼んできたと。直子が気分転換にって、雪江ちゃんを引っ張って行ったとよ」

桜子は、ふむといった面持ちで、

「だったら、安心ね」

「皐月は、何て?」

ベスが、少しにやけて尋ねる。

「ボチボチ、向こう出発する頃ちゃいますか。大丈夫、ちゃーんと皐月ちゃんは、依頼をこなして帰ってくるよし」

藍が、今見てきたかの如く答えた。

桜子は、藍の報告に、

「あら?アタシにはメール来なかったけど・・・」

「ウチに、メールが入ってましたどす」

と、藍は笑ってごまかした。

桜子はすくっと立ち上がり、真剣な眼差しで、

「じゃ、かわいい後輩達の幸せの為に、一仕事しますか。行くよ!“はねくみ”!!」

「よかよ!」

「あいっ!」

「うん!」

「Yes!」

桜子は、メンバーを振り返る事なく部屋を出る。

こころ、ベス、ローズ、そして、最後に藍が細長い筒を持ち続いた。


桜子・こころ・ベスは、それぞれの愛車のバイクに跨がり、ヘルメットを被ると、エンジンをかけ暖気運転を始める。

一方、ローズと藍は、ローズの愛車・キューブに乗り込んだ。

何気に藍が一枚のCDを取り出し、セットした。

手早く2曲目を呼び出す。

激しいビートのドラムと、大音量の尖ったギターが掻き鳴らされる。

思わずローズが、

「Wow、“Metallica”ネ!」

藍がにぱぁと笑い、

「へぇ、アルバムのタイトル曲、“...And Justice For All”どす」

「Nice choiceネー!」


桜子は無言のまま、右人差し指を天に掲げた。

メンバー全員がゴクリと息を飲む。

テンションはピークに達し、桜子は指を振り下ろした。

刹那、激しいエキゾースト・ノイズを上げ、こころのV-max、ベスのdb1、ローズのキューブが走り出す。

桜子は、フゥーと深呼吸をすると、愛車・サクラ1300のタンクを触り、

《頼むわね・・・》

ギアを入れ、クラッチを繋ぎ、アクセルを回す。

一気に加速し、こころ達を追った。

嵐がやって来る。

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