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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
164/243

ep.164 名前の秘密と降りてきたバイク

「八犬士って知ってる?礼司君?」

仁は礼司に尋ねた。

礼司は首を横に振り、

「俺は知らんわ。智巳なら知ってるんと違うか?」

秀は、ほぉといった面持ちで、

「智巳は知ってるんか?八犬士や八犬伝?」

智巳は首を縦に振ると、静かに語り出した。

「八犬伝、正式には“南総里見八犬伝”は、江戸時代後期に滝沢馬琴によって書かれた話で、室町時代後期を舞台に、八人の若者の主人公が活躍し、それぞれに仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字のある玉を持ち、牡丹の形の痣を身体のどこかに持っている。そんな話だったかな、確か」

秀は、智巳を見直した様子で、

「詳しいな、智巳」

智巳は、嬉しいのか少し照れた。

仁は不思議そうに、

「それと俺達がどう関係あるんで?」

「おそらく名前だろ。違いますか?秀の兄貴?」

智巳が尋ねる。

秀はそうだと答え、

「いいか、既に居る弟分達は、忠志(ただし)義雄(よしお)信二郎(しんじろう)孝弘(たかひろ)、そして、悌士(やすし)。で、お前らが、礼司(れいじ)(ひとし)智巳(ともみ)

智巳は頷き、

「なるほど」

仁が首を横に振り、智巳に尋ねる。

「説明してよ、智巳」

「しょうがないなぁ。いいかい、(じん)(ひとし)()義雄(よしお)兄貴、(れい)礼司(れいじ)くん、()の俺、智巳(ともみ)(ちゅう)忠志(ただし)兄貴、(しん)信二郎(しんじろう)兄貴、(こう)孝弘(たかひろ)兄貴、(てい)悌士(ていじ)兄貴。全部繋げると、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌になる。だから、秀の兄貴は、八犬士って言ったのさ」

礼司と仁は驚いた。

秀は頷き、

「伝説の南総里見の八犬士ならぬ、河内稲美の八犬士やな。がははっ。新しい時代を感じんで」

礼司も、まんざらじゃない様子で、

「伝説の八犬士か・・・、悪かねぇ」

智巳も笑うと、

「だね、礼司くん」

そんな光景に気を良くしたのか、秀が、

「お前ら、腹へってないか?牛丼でも食っていこう。俺の奢りだ。いっぱい食って、身体をもっとデカくしろ」

礼司達三人は顔を見合わせると頷き、口を揃え、

「兄貴、ゴチになります。ぜひ、特盛で!」


秀のレクサスは、国道沿いの“牛丼の吉乃家”の駐車場に滑り込む。

その刹那であった。

秀と礼司達は不思議な物体を見る。

上空から鈍い光を放ったバイクが、降りてくるとそのまま国道にふわりと着地し、河内長原に向けて走り出したのだ。

秀は驚き、顔面を引き攣らせ、

「礼司、頼みがある。俺の(ツラ)、思っきり(はた)いてくれへんか?どうも、まだ酒が残ってるみたいや」

礼司も同様の様子で、

「秀の兄貴、俺もその後で(はた)いて下さいよ・・・。酒は飲んでないんですが、どうも酔ってるみたいです・・・」

意外だったのは後の二人で、仁はなんかスゲーを連発して感動しており、智巳はまぁそんな事もあるだろうと、いたって冷静だった。

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