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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
162/243

ep.162 親の言う事が聞けねえってのか!

トメが驚き、取り乱す。

「ひ、秀さん・・・。アンタ、何て事を・・・」

政はトメを征すると、

「まぁ、いいじゃないですか」

トメは怒って、

「政、アンタはどんだけ呑気なんだい!」

政は、首を数回横に振り、

「いや、丁度良かったんですよ、トメさん。じゃないと場合によっちゃ、この秀さんと俺が正面からぶつかる事になってましたから・・・。すいません、トメさん。その引き出し開けてやっちゃもらえませんか?」

トメは、政なりに考えがあっての事だろうと思い、立ち上がると引き出しを開け、

「こ、これは・・・」

そう漏らすと、数枚の白磁器の盃を取り出した。

山崎も盃を見つめ、

「政さん、アンタ・・・」

政は黙って頷き、

「受けて貰っちゃくれねぇか?秀さん。いや、秀彦。俺の盃・・・。一の子分として、右腕として」

秀は思いがけず願いが叶ったのか、目をこれでもかと見開き、

「え、ええんか?俺なんかが・・・」

「あぁ、俺はアンタになってもらいてぇ・・・。本来なら、ちゃんとした場所で、親子の契りを交わしてぇトコだが・・・」

山崎は首を横に振り、

「かまへん、かまへんねん。場所なんか何処(どこ)でも」

政は頷き、

「そう言ってくれると、ありがたい。トメさん、さっきの引き出しの下の引き戸に酒があるはずなんですが・・・」

トメは黙って言われた通り日本酒の小鬢と真っ白な紙を取り出し、政に渡した。

政は日本酒を開け、盃に注ぐと

「貰ってやってくれるかい?」

「はい、頂きます」

秀はそう言うと盃の酒を飲み干し、紙で包むとジャケットの懐に直した。

政はそれを確認すると、

「さっそくだが、秀。親として、頼みがある」

秀は嬉しそうに、

「はい、会長(おやじ)。何でも言って下さい」

「馬鹿な考えは止めて、お前は美沙ちゃんの居る吉野へ行け!お前が一緒にいて安心させてやれ」

「しかし・・・」

政は、ベッドから降りると、いきなり秀を渾身の力で殴りつける。

秀は吹っ飛び、壁に背中をぶつけ、そして、嗚咽を漏らした。

政はキッと秀を睨み、

「秀、テメエ、親の言う事が聞けねえってのか!俺に恥かかすんじゃねえ!」

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