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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
153/243

ep.153 何の罪か知らんけど

「あ、あの金バッジか?あれやったら、返した」

ハルナはかなり驚き、

「え?ちょ、ちょ、ちょっと、山崎さん。返したって、アレはアンタらの世界で大事な・・・」

山崎は頷くと、辛そうな面持ちで、

「そや。大事なもん、大事なもんやからこそ、返したんや。俺は、身に着ける資格が無いから・・・」

「資格が無いって・・・、山崎さん」

山崎は何かを振り払うかの様に、首を横にブンブン振り、

「まっ、そんな事より、コレやコレ」

山崎は、ジャケットのポケットから封筒を取り出す。

それをハルナに押し付け、頭を下げた。

「昨日は迷惑かけて、スマンかった。助かった」

「えっ?あのコレって、昨日ウチが立て替えた分?」

ハルナは、封筒の厚みに少し違和感を感じ、

「んん?」

封を開いて、札を取り出す。

「あれ?ひぃ、ふぅ、みぃ・・・。山崎さん、コレ多いで・・・」

ハルナが首を軽く傾げると、山崎が、

「迷惑料や、取っといてくれ」

「アカンて~、立て替えた分よか、迷惑料の方が多いやん」

「ええんや、気持ちや気持ち。ヤクザに恥かかせんでくれ」

ハルナは軽くため息を()き、封筒をポーチになおす。

にぃーと笑うと、

「まぁ、山崎さんがそう言ってくれるんやったら、しゃーない。もろたげるわ。で、ウチに頼みたい事って、何なん?」

山崎は、もう一通封筒を取り出すと、

「コレ、預かっておいて欲しいねん。もし、近いうちに俺の身の上に何かあって、ニュースや新聞に載ったら、そん時はコレを吉野の俺の嫁さんに渡して欲しい・・・。これで、生まれる子供を育ててくれって。別れた時に300万しか渡せんかったしな。頼めるか?」

ハルナはかなり驚き、“はっ”と気付き、

「山崎さん、アンタ・・・、何があったん?まさか・・・、死・・・」

山崎は左手でハルナの口を抑え、

「シッ、ハルナちゃん、そんな言葉言うもんやない。俺はケジメを付けるだけや、俺自身と俺の罪のな」

《はぁ?この男も・・・》

ギリっと、ハルナの口の奥で嫌な音がした。

山崎の手を自身の右手で掴み、外す。

睨み付け、左手で山崎の頬を叩いた。

渇いた打撃音だけが、店の中に響き、

「お前、何さらす・・・」

ハルナは遮る。

「何考えてんねん、このドアホ!何の罪か知らんけど、そんな事して、アンタの奥さんや、政さんが喜ぶって(おも)てんのか!」

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