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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
152/243

ep.152 時間が過ぎるのを待っている

店の一番奥の席に、“河内稲美会”若頭・山崎は一人で座っていた。

既にどこかの店で飲んでいるのか、顔が幾分赤い。

山崎は俯いたまま時折ため息を()き、時間(とき)が過ぎるのを待っているかにも見えた。

ハルナは山崎の前に立つと、人を安心させるような満面の微笑みを浮かべ、

「山崎さん、指名ありがとー。びっくりしたわ、まさか今日来るとは思わへんかったし」

山崎は目を細めハルナを確認し、淋しげに笑うと、

「大きな借りが有ったし・・・、それに、ちょっと頼みたい事も・・・」

「なんや、何か辛気臭いなぁ。どーしたん?とりあえず、横座ってええ?」

山崎は頷く。

「飲み物は何にする?水割り?」

ボソリと山崎は漏らす。

「いや、ロックにしてくれ。今日はなんぼ飲んでも、酔われへんねん・・・」

「ロックね、ええよ」

ハルナはボーイに指示して、ロックグラスを受け取る。

手早く氷を入れ、セットのウィスキーを少し多めに注いだ。

軽くマドラーを回し、

「ダブルにしといたわ。ウチも何かもらってかまへん?」

そう言って山崎にグラスを渡した。

山崎は受け取り、

「何でも好きなん飲んでくれ、ハルナちゃん」

ハルナは、いつもならウーロンハイ風ウーロン茶をオーダーするのだか、山崎が来てくれて、かなり機嫌が良くなり、カクテル“ヨギパイン”を注文した。

すぐにカクテルがテーブルに置かれる。

「ほな、山崎さんとの再会に、かんぱ~い」

「かんぱい・・・」

グラスの当たる軽い音がテーブルに響いた。

ハルナはカクテルを一口飲み、

「くぅー、めっちゃ美味しい~」

刹那、山崎のグラスがテーブルに置かれ、ハルナがふと見て、驚く。

空なのだ。

「えっ、ダブル一気したん?」

山崎はボソリと囁く、

「お代わり・・・」

ハルナは、軽くため息を()き、

「はいはい、お代わりね」

ハルナがウィスキーのお代わりを作って山崎に手渡すと、また山崎は一気にあおってしまった。

また、『お代わり』と山崎が漏らしたので、これにはさすがにハルナは呆れ、何があったかと山崎を見回す。

ある事に気付いた。

「ちょっと山崎さん、大事なバッジどうしたん?」

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