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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
151/243

ep.151 アンタ、ミテコやろ?

「ったく、もう、何やねん。今日の客、素伝(すでん)ばっかしで、ドリンクも出~へん。こんなんやったら、B指も取れるワケあれへんやん。どんな客引っ張って来てんねん」

ハルナは、キャバクラ“シャ・ブラン”の控室に戻るとメイクを直しながら、悪態を()く。

「ハルナちゃん、まぁまぁ、そんなにキレなくても・・・」

ハルナは、声を掛けてきたボーイのユージを睨みつけると、

「ユージ、ウチに声掛ける暇あんねんやったら、外行ってキャッチしてこいや。代表にも言われてるやろ」

ユージは、軽くため息を()き、

「行きますよ、言われなくっても・・・。新人、紹介したかっただけですやん。代表が、ハルナちゃんに指導してもらえって」

そう言って、一人の女の子を呼んだ。

「シズクちゃん、こっち来て~」


ボーイのユージは一通りの紹介だけすると、ハルナに怒られるのが嫌で、さっさと控室を出て行ってしまった。

ハルナは値踏みする様に、シズクを見詰め、

「で、シズクちゃん。アンタ、ミテコやろ?」

「ミテコって?」

「ん?アンタ、未成年(ミテコ)知らんの?18歳未満の未成年って意味やん」

シズクは焦って、

「えっ?違いますよー、ハルナさん。一応、19です」

ハルナは目を細め、

「ウチと仲良くしたかったら、嘘言うたらアカンよ。ホンマはなんぼなん?」

ハルナに威圧されたのか、あっさりと自分の置かれている立場を理解したシズクは、

「すっ、すいません。本当は・・・、じゅ、17です」

ハルナはニカッと笑うと、

「なんや、タメやん。ここだけの話、ウチもミテコやねん。ほな、仲良くしよな。タメやから呼び捨てでええやんな?シズク?」

そう言って右手を差し出した。

シズクは、差し出された右手を握ると、

「はぁ、こちらこそ・・・、ハルナさ・・・」

ハルナが遮る。

「ハルナ。“さん”は、いらんよ」

「じゃ、ハルナ」

「うん。それでいい。とりあえず、団体客とかでウチに指名入ったら、枝で呼ぶから、ウチの動きをマネしてくれたらええよ」

シズクは、ぱぁっと表情を明るくし、

「ホントに?ありがとう、ハルナ」

そんなシズクとのやり取りをしている処に、ユージが顔を出しハルナに声を掛ける。

「ハルナちゃん、指名入ったからお客さん着いて」

ハルナは驚き、

「え?ウチ、今日、A指の予定無いで」

ユージはニヤリと笑い、

「昨日来てた、ヤーさん。自分が立て替えたヒトや」

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