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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
145/243

ep.145 それが一番正しいと思うから

聖マリア寮5階にある桜子の執務室の中には、桜子、雪江、そして、瑠奈がいた。

雪江はソファーに座り、うっすら額に汗をかき深く目を閉じている。

その傍らで、瑠奈が雪江の左手を取り、心配そうに彼女を覗き込んでいた。

桜子は立ち上がると薔薇のアロマ・キャンドルを吹き消し、雪江にかけた暗示を解く。

彼女を抱きしめ、

「もう安心だからね。アタシ達が、アナタと直子ちゃんを護るから・・・、今はゆっくりおやすみ・・・」

桜子の瞳には、哀しみの涙と静かな怒りが浮かんでいる。

そして、桜子は更に雪江の耳元で何か囁く。

雪江はコクンと頷き、意識を失ってしまった。

瑠奈は心配そうに驚き、

「桜子ちゃん。雪江ちゃんは、どぅしちゃったの?」

桜子はハンカチで涙を拭くと、瑠奈に優しく微笑み不安を取り除く。

「この娘はね、凄く気を張って生きてきた女の子なの。瑠奈や、今、こうして告白してくれた事で抱えていた秘密は無くなったけど、心のケアは万全とは言えないわ。だから、少しの間だけ眠ってもらったの、雪江ちゃんの大好きなお母さんが、夢に出てきて癒してもらえる様にして・・・。多分・・・、ううん、それが一番正しいと思うから」

瑠奈は安心し、

「そぅなんだ・・・、ゃっぱり桜子ちゃんは、スゴぃゃ」

桜子は首を横に振り、

「いいえ、違うわ。こうして雪江ちゃんが心を開くきっかけを作ってくれたのは、瑠奈、アナタよ。これは聖クリ生徒会長として、礼を言わなくちゃ。ありがとう」

不思議な事に、瑠奈は少しだけ哀しい表情をすると、

「ぅぅん。だって雪江ちゃんは、大事なぉ友達だし・・・。それに、桜子ちゃんも、大切なぉ友達だから、もっと、ァタシにも甘えたり、無理言ってくれてぃぃんだよ」

桜子は、深く反省した。

確かに、瑠奈の指摘の通り、“はねくみ”メンバーの中で瑠奈だけには甘える事を控えている節はあった。

しかし、それはそれで、桜子の瑠奈に対する優しさであったりするのだが・・・。

「確かにそうね・・・。ゴメンね、瑠奈」

「ぅぅん。理解(わか)ってくれるだけで、ァタシは嬉しぃから・・・」

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