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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
144/243

ep.144 破門状を全国に廻せ

壱野は、またニヤリとすると、

「気になりますか?電話で債権回収中って、俺、言ったじゃないですか?アレですよ。借金のカタに、中坊の娘拉致って来ました。コイツに、身体で親の借金返してもらうんですわ。まぁ、嫌がる様なら、麻薬(ヤク)ぶっ込んで、ソープにでも・・・」

「よく親が納得したな」

「え?嫌だなぁ、補佐。納得なんかする訳ないじゃないですか。だからヤキ入れましたよ。今頃、下手すりゃ、首吊ってるんじゃないですかね。ま、その方が、ウチ的には保険金入っていいんですけどね。くっくっく」

岸田は吐き捨てる。

下衆(ゲス)やな」

「補佐には言われたくありませんわ。恐らく生娘やから、風呂で働かせる為に()っちまわないとね。何やったら、“河内稲美会”の会長(おやじ)さんに喰ってもらってもいいですが・・・、それか、補佐如何です?」

岸田はまたラークを取り出すと、

「俺はええわ。ガキには興味ない」

本音は違った。

《この壱野に弱み握られてたまるかいな・・・》


しばらく走ると、バックミラーをチラ見した壱野が、気になる事を口にする。

「補佐、バッチどうされたんで?」

「あー?ホンマや。落としたか」

「万が一無くしたら、(エンコ)詰めモンですぜ、補佐」

岸田は、火を着けたばかりのラークを消し、

「まぁ、ええわ。明日で、“河内稲美会”には引導渡したろーと思ってたからな。そしたら、あんな代紋なんぞ、また作ったらええねん」

「補佐、どう言う事で?」

「死んでもらおうと思ってな、オンナと一緒に。ヤク中のヤクザが、援交の高校生を殺して、自身も狂気の果てに自殺。よくある話や」

「なるほど・・・、そやったとしても、誰が会長(おやじ)(タマ)取るんで?」

「俺がボンクラのドタマに、直接鉛玉ぶち込んでやるわ。壱野、万が一の為の身代わり用意しとけや、そやの山崎か山崎の弟分がええの」

壱野は、深いため息を()き、

「ところがですね、山崎若頭始め五人、全く連絡取れないんですよ。補佐、何か言いました?大事な事?」

岸田は、思わずタバコを落とした。

「ま、まさか・・・。いや、アイツの性格やから・・・」

岸田の顔から血の気が引いていく。

「壱野、俺の事務所行って、もし、山崎らと全く連絡着かへん時は・・・」

壱野は岸田の焦りが面白くて仕方ない様で、

「着かない時は、どうするんです」

岸田はゴクリと息を呑み、

「そん時は・・・、破門状を全国に廻せ。そして、かまへんから、山崎一味拉致せーや。どうせなら、ボンクラと一緒にあの世に逝ってもらう」

「さっきの身代わりは?どうするんで?」

「そんなモン、一番下っぱ、誰でもええから立てとけや、任せる」

「はい」

壱野はそう答えると、ニヤリと口元を上げ、

《オッサン、下手打ったな。どうせなら、アンタに臭い飯喰ってもらうか・・・。その方が後々・・・》

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