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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
138/243

ep.138 正樹の眠る理由

藍はトイレの個室に入るなり、

「晴明ちゃん、いてる~?」

心の中で声がする。

『なんじゃ?藍。儂ぁ、せっかく、ピチピチ看護婦さんを見て、目の保養しておったのに・・・』

「相変わらず、色ボケどすなぁ。ところで晴明ちゃん、瑠奈ちゃんの彼氏、どうにかなりまへんか?」

『あの寝ったままの色男か?しかたない・・・。藍の頼みじゃからのう。ちと身体、借りるぞ』

「あい、晴明ちゃん」

ビクンと藍の身体が振動し、晴明が藍に入った。

思わず漏らす。

「さて、見てみようかの~」


藍(晴明)が病室に戻ると、仲間達は瑠奈の作ったクッキーをパクついていた。

「藍、アンタもコレ食べるったい。美味かとよ」

こころがクッキーを差し出すが、

「うむ、後での。ちと、そこをどいてもらえんか?」

藍(晴明)が、手でこころ達をはらう。

口調が変わった藍に仲間達は驚き、話掛けようとするも、“しっ”と睨まれると何も言えなかった。

正樹の右の枕元に藍(晴明)は立ち、目を閉じると左人差し指と中指を立て自身の口元に、右人差し指と中指を正樹の額に持っていくと、何やら祝詞(のりと)を唱え出す。

一瞬、部屋中が、藍の右指から放たれたまばゆい光りに包まれ、

『どうどす?晴明ちゃん?』

「そうじゃな、この正樹とかいう男、どうやら自らの意思で眠りつづけておるようじゃ。何やら起きると瑠奈に迷惑が掛かるとだけ、漏らしておったの。難儀な事じゃ」

『ほんに、ややこしおすなぁ』

光が消えるやいなや、こころがたまらず藍の両肩を掴み揺さぶる。

「おい、藍。アンタ、何ば言いよっと?どげんしたとね?変な喋り方になって?」

本来の藍に戻った藍は、

「痛っ、痛おます。こころちゃん、瑠奈ちゃん、みんな、堪忍え。悪気はないんどす」

冷静に事を見ていた桜子が、割って入り、

「藍、正樹さんは自分の意思で寝ているって言ってたけど、本当なの?」

「へえ、ウチそんな事言ってましたか?だったら、ホントどすな」

桜子は真顔で瑠奈に言う。

「瑠奈、今度改めて、正樹さんが入院するきっかけになった事話してくれる?悪いようにはしないから」

瑠奈は、知らされた事実に少しショックを受けたが、ペコリと頭を下げ、

「ぅ、ぅん。ぉ願ぃします」

一方、雪江と直子は、この不思議な光景を目を白黒させて見ていた。

また、ローズも冷静に事を見ており、

《What's a kind of wonder girl! 藍!!(なんて不思議な女の子なんでしょ。藍ってば)》

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