ep.137 別嬪さんが台なしどす
瑠奈が仲間達の元にかけより、
「ぁっ、みんな、来てくれたんだ。桜子ちゃんやこころちゃんまで」
桜子は瑠奈に微笑み、
「ええ、用事が終わって帰る途中、藍からメールが、タイミングよく入ったからね」
「そうとよ、瑠奈。それに、昨日入院された雪江さんのお手伝いさんのお見舞いと、久しぶりにアンタの彼氏、正樹さんの顔も見たかと思いよったとよ」
藍も、瑠奈の手を取り、
「さぁ、瑠奈ちゃん。ウチらを正樹さんの所に連れて行っておくれやす」
ローズも、イエースと頷く。
雪江と直子も顔を見合わせ、アタシ達も会ってみたいと口にした。
瑠奈は予想外の展開に嬉しくて、思わず涙した。
「皆んな、正樹の事忘れなぃでぃてくれたんだ・・・。ぁりがと」
藍がハンカチを取り出し、優しく瑠奈の涙を拭きながら、
「あらあら、瑠奈ちゃん。泣いたらあきまへん、別嬪さんが台なしどす」
「ぅ、ぅん」
瑠奈は照れた。
今度は、桜子が瑠奈に優しく語りかける。
「さぁ、瑠奈。みんなを正樹さんの元に案内して」
瑠奈はコクンと頷き、
「ぅん。つぃてきて」
瑠奈達はエレベーターに乗り、8階を目指す。
808号室が、瑠奈の愛する沢村正樹の病室だ。
瑠奈は扉を開け、仲間達を中に誘う。
「どぅぞ」
部屋の中は小綺麗に片付けられ、菜の花がいけてあった。
そんな病室の中で、正樹は眠る。
クリーム色のカーテンを開けると、春の日差しが柔らかい。
瑠奈が、正樹に語りかける。
「正樹、今日は桜子ちゃん達が、来てくれたんだよ」
正樹の口元が僅かだが綻んだ気がした。
真っ先にこころが、正樹を覗き込み、
「正樹さん、相変わらずイケメンやね~。早く意識ば取り戻さんと駄目とよ」
「そうよ、こんな可愛い彼女に淋しい思いをさせちゃ」
「ほんまどすなぁ。早く起きへんとウチ怒りますえ」
「正樹サーン、起キナイト、10カウント鳴ッチャウネー」
雪江と直子も、早く先輩の為に起きて下さいねと正樹に語りかけた。
そんな中、藍が『ごめんよし、ちょっと、お手洗い行ってきおす』と言って、病室を出る。