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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
136/243

ep.136 政の覚悟

「そんな事が、雪江お嬢さんの身の上に・・・」

「ごめんなさぃ、言わなぃ方が良かったですよね」

政は強い意思を固め、心配掛けまいと瑠奈に笑い、

「いや、瑠奈さんの話聞いて、迷いが吹っ切れました。俺は、あん(ひと)を、雪江お嬢さんを、一生掛けて護っていく。それが俺の務めであり、亡くなった会長(おやじ)さんや姐さんに対する恩返しです」

「それって、もしかして?」

政は照れ、

「ええ。恥ずかしい話、年は離れてますが、俺は、雪江お嬢さんに惚れてました。気持ちは隠してましたが・・・」

瑠奈は、まるで自分の事の様に喜び、ぽろりと涙を流すと、

「ぅん。良かった。ァタシ、政さんに話して良かった」

政は限りなく優しい口調で、

「瑠奈さん、心配かけました。ただ、瑠奈さん、俺に話した事は内緒にしてやって貰えませんか?」

瑠奈は頷く、

「ぇぇ、政さんがそぅ言ぅなら」

「ありがたい」

そう言って、政は頭を下げた。

瑠奈は時計を見て、あっと漏らす。

鞄からお弁当を取り出すと、政に手渡した。

「これ、ぉ口に合ぅか判りませんが、礼司さん達と食べてみて下さい。じゃぁ、ァタシ行きますね」

深々と頭を下げ、瑠奈は政の病室を後にする。

残された政は、何気にお弁当を開けた。

おにぎりを一つ取ると、ぱくり一口頬張る。

母ちゃんの味がした。

《美味い!懐かしい味だ。しかし、俺も覚悟決めないといかんな》

そうやって思いを巡らせていると、扉が開き礼司達が帰ってきた。

「あっ、アニキ。何ですかその弁当!ズリィ~」

政はガハハと笑い、礼司達を手招きし、

「お前らも、黙ってこれを食え!美味いから」

礼司達は、それぞれおにぎりを手に取るとがぶりと食べ、

「美味っ!」

「!!!」

「美味いっす!今まで、こんな美味いおにぎり食った事ないっす。政のアニキ」

かなり感動した仁が、思わず、

「あの瑠奈さんて、彼氏居るんすかね?」

礼司が仁の肩を抱き、

「残念だったな、仁。イケメンで優しい彼氏が既に居てるそうだ」

「礼司くん、マジで?」

礼司は黙って大きく頷く。

「あ”~、振られた。告る前から振られた。これで、53連敗や」

智巳は、仁を慰めようと、

「安心しろ、仁。世の中には坊主頭を好きって、女の子も稀にいるから」

「智巳、イケメンのお前が言っても、フォローになれへんし~~~」


瑠奈は混み合うエレベーターの中で、

《思ったより時間かかっちゃった・・・、雪江ちゃんに謝らなきゃ》

ドアが開くと、聞き慣れた声が聞こえてくる。

「あっ、瑠奈ちゃ~ん。こっちえ。皆んな一緒どす!」

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