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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
129/243

ep.129 怪しい五つの光と待ってた二人

直子は、首を傾げると、

「霊感ですか?凄くって訳ではないですけど・・・、極たまに見える時があるんですよ」

藍はうんうんと頷き、

「まぁ、世の中見えない方が、幸せって事も有りおすからなぁ。気にせんよし」

藍の目が怪しく光る。

「そっ、そですね。気にしない事にします」

直子は、ぞくりと背中を震わせる。

まるで直感が、本能が、この話はヤバいと告げているかの様に。

藍は、もう一度瞳の深い場所を鈍く輝かせ、

「それがよろしおすなぁ」

直子は、問答無用で頷く。

顔を直子が上げた瞬間には、先程の妖しさはなく、天使の笑顔の藍先輩がいた。

《き、気のせいよね・・・》

藍の一番ディープな処を垣間見た気がした。

気分を変えようと、窓を開け息を深く吸い込む。

流れる景色の中に、富田森の文字が見えた。

《もう、富田森!あと少しで、ゆっきーに会える》


もし、本当に霊感がある者が、走行しているキューブを見たならば、屋根の上に五つの怪しい光を見たはずである。

声が聞こえてきた。

『おい、じーさん。夜中ふらふらしてたき、見られとるが』

『ほっほっほ、昨夜は満月やったし、たまに月の光を浴びると霊力が上がってのー』

『嘘付け。じーさんは単に女子高生の寝姿が見たいだけじゃろ』

『そう言うな、以蔵よ。(ぬし)は、本当に女より剣よの~』

『天下の大陰陽師が、こんなに女好きとはのー』

『ほんに、晴明様は昔から女好きどしたな。ウチは帝一筋どしたので、安心どしたけど』

『ウチらは、時代が違うし。なー、写楽はん』

『そうですね、私は江戸でしたから』

『ほっほっほ、島原遊郭は、たまにフラフラ空から見ておったよ。主と山南の営みもな。明里』

『うっ、この変態!』

『こらこら、そう怒るでない。痛っ、嘘じゃ嘘じゃ』

『はぁ~、自業自得ぜよ・・・』

『ほんに』


ローズが車を病院の駐車場に入れると、見覚えのあるバイクが並んで2台停まっており、傍らに持ち主が楽しげに談笑していた。

藍が窓を開け、嬉しそうに二人に声を掛ける。

「桜子ちゃん、こころちゃん、ウチらも来ましたえ~!」

藍は、いつもながら元気であり、そして、窓から入る春風が気持ち良かった。

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